記事監修医師
東京大学医学部卒 医学博士
B型肝炎とは、B型肝炎ウイルスに感染することで発症しますが、B型肝炎ウイルスはどの経路で感染するのでしょうか。
この記事では、B型肝炎の感染経路について解説しています。
B型肝炎は慢性化すると完治ができなくなってしまう病気です。自身の感染予防のためにも、周囲に感染を広げないためにも、正しい知識を身につけておきましょう。
B型肝炎は、B型肝炎ウイルス感染者の血液や体液を介して感染します。感染経路は、ウイルス感染者の母親から子供への「垂直感染」と、それ以外の「水平感染」とに分けられます。
B型肝炎ウイルス感染者の母親の血液が、出産時に産道を通じて赤ちゃんの体内に入ることで感染します。現在は母子感染予防対策が実施されているため、こうした母子感染はほぼ起こらなくなっています。
B型肝炎の、主な水平感染の経路は以下の通りです。
近年では感染対策がとられているため、輸血や注射などの医療行為での感染はほぼ起こらなくなっています。
B型肝炎ウイルスは唾液にも含まれていますが、唾液に含まれるウイルス量は少ないため、軽いキスでB型肝炎に感染する確率は低いといわれています。しかし、B型肝炎ウイルス感染者の口の中に潰瘍ができていたり、歯周病がある状態でキスやオーラルセックスをすると、ウイルスに感染する可能性は上がります。
B型肝炎ウイルスは、血液だけでなく唾液や汗、涙、鼻水、尿などの体液にも含まれていますが、下記のような日常的な行為で感染する確率は低いと考えられています。
B型肝炎は血液を介して感染することが多いですが、B型肝炎ウイルスは精液や唾液、汗、尿などの体液にも含まれているため、性行為やキスなどでも感染する可能性があります。性行為での感染は、コンドームの使用をしても100%防げるわけではないので、もしパートナーや家族にウイルス感染者がいる場合は、ワクチン接種で感染を予防することが重要です。