睡眠時無呼吸症候群の症状は時間帯で違うの?どうやって治せばいい?

2018/6/6

山本 康博 先生

記事監修医師

東京大学医学部卒 呼吸器内科医

山本 康博 先生

「日中とても眠たい」「夜中に何度も目が覚める」など、睡眠に関して悩んでいることはありませんか。中には、いびきや歯ぎしりなどを家族から指摘された方もいるかもしれません。この記事では、睡眠時無呼吸症候群の時間帯別の症状や治療法をご紹介します。

睡眠時無呼吸症候群の症状、日中はどんな感じ?

睡眠時無呼吸症候群になると、日中には主に以下のような症状が現れます。

集中力や記憶力が低下する、倦怠感がある

脳は眠っている間に、日中の疲れを回復させます。しかし睡眠時無呼吸症候群によって眠れない日々が続くことで、脳の疲れを十分に回復させることが難しくなり、記憶力や集中力の低下につながります。また、疲れを十分にとることができないために、ストレスが溜まり、抑うつ症状を引き起こすなどといった悪循環に陥ってしまう場合もあります。

強い眠気に襲われる

睡眠時無呼吸症候群になると、眠っている間に呼吸が何度も止まります。すると身体に必要な酸素が行きわたらず、熟睡できないということが続くようになります。

苦しさやトイレで何度も夜中に目を覚ますなどといったことが繰り返されるため、深い眠りにつくことができなくなってしまい、日中の強い眠気に悩まされることになるのです。

このような日中の眠気は、仕事や学業だけでなく、交通事故などの大きなトラブルを招く可能性もあり、そのリスクは睡眠時無呼吸症候群ではない人と比べて7倍になるともいわれています。

睡眠中や起床時にはどんな症状があるの?

睡眠中に起こる症状

眠りが浅い、何度もトイレに行く

睡眠時無呼吸症候群で無呼吸や低呼吸状態になると、脳が酸欠状態になります。すると、自律神経が休まらず眠りが浅くなったり、息苦しさを感じて夜中に何度も目が覚める中途覚醒という症状を引き起こしやすくなります。

また、夜間頻尿も睡眠時無呼吸症候群の特徴のひとつです。眠っている間は副交感神経がはたらき、利尿ホルモンの作用が抑えられていますが、無呼吸や低呼吸状態になると交感神経の影響で利尿ホルモンが促進されます。その結果、夜中に何度もトイレに行きたくなる夜間頻尿を引き起こします。

いびき

睡眠時無呼吸症候群の人の大半が、治療の開始前にいびきをしていたといわれています。いびきをかく人のすべてが睡眠時無呼吸症候群ではありませんが、普段からいびきをかいている人は発症していなくても、予備軍という可能性もあります。

特に注意が必要ないびきの特徴は以下の通りです。

  • いびきの音が変化して、突然呼吸が止まることがある
  • 朝までいびきがずっと続く
  • 慢性的にいびきがある
  • 仰向けの状態で寝ると音が大きくなる

寝汗をかく、息苦しさを感じる

無呼吸や低呼吸状態になると息苦しさから、大量の寝汗をかくことがあります。また睡眠時無呼吸症候群は睡眠時随伴症(パラソムニア)を合併する場合もあるといわれています。

睡眠時随伴症は、眠っている間に歩き回ったり、突然叫んだりする睡眠中の異常行動の総称です。主に激しい寝相や寝言、歯ぎしりなどがみられます。睡眠中のことは自分では覚えていない場合がほとんどのため、自分ひとりでは気付きにくいかもしれません。パートナーなどから様子を見てもらうのが良いでしょう。

朝起きた時の症状

口が渇いている

いびきをかく人の多くは、口呼吸をしています。睡眠中は舌やのどの周りの筋肉のほか、全身の筋肉も緩みます。舌や上気道の周りにある組織が重力で下に沈むために、気道が狭くなり、いびきを引き起こしやすくなるのです。口を開けたまま呼吸を続けるため、朝起きた時の口の渇きへとつながります。

頭がズキズキする

睡眠時無呼吸症候群のときに起こる頭痛は「睡眠時無呼吸性頭痛」といわれています。睡眠時に無呼吸や低呼吸状態になることで、睡眠障害によるストレスや低酸素血症になることなどが原因と考えられています。

睡眠時無呼吸性頭痛の特徴は以下の通りです。

  • 30分以内に治まる
  • 起床時に頭痛がする
  • 1ヶ月に15日以上起きる
  • 頭の両側が痛い

すっきり起きられない

睡眠時無呼吸症候群になると、夜中に何度も目が覚めてしまうことが多くなり、身体を休めるための十分な睡眠が取れなくなります。また、無呼吸や低呼吸状態に陥って酸欠状態になるため、身体に必要な酸素が行きわたらなくなり、身体の疲れがとれにくくなります。そのため、起きた時に倦怠感や疲労感が残りやすくなるのです。

睡眠時無呼吸症候群の治療法は?

睡眠時無呼吸症候群の主な治療法は、CPAP(シーパップ)治療です。CPAP治療とは、鼻に取り付けたマスクから空気を送り込んで、睡眠中も呼吸を継続させる治療法です。ある研究では、重症の睡眠時無呼吸症候群の患者のCPAP治療を行った場合と行わなかった場合を比べると、CPAP治療を行った患者の方が明らかに生存率が上がったという報告もあります。

また、スリープスプリントとも呼ばれる、マウスピースによる治療もあります。上顎よりも下顎を前に出すように固定させ、気道を広く保つことで無呼吸やいびきを防止する方法です。比較的軽度な方には効果的ですが、重症の方の場合、効果が不十分という報告もあります。

重症度をしっかり把握し、主治医とよく相談してから治療を開始するのが望ましいでしょう。他にも、外科治療として扁桃腺の切除手術や顔の骨格を矯正する手術を行う場合もあります。

おわりに:眠っているときの様子は、家族に教えてもらいましょう

自分が眠っている時の寝言やいびきは、自分ではなかなか気付きにくいものです。家族から様子を教えてもらうことが望ましいでしょう。自分の症状と照らし合わせて、気になる方は病院を受診するのがおすすめです。

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