ボランティアに参加するメリット ~ お金で買えない無償奉仕の魅力

2017/3/23 記事改定日: 2018/2/14
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三上 貴浩 先生

記事監修医師

東京大学医学部卒 医学博士

三上 貴浩 先生

ボランティアは無償奉仕活動ではありますが、実は奉仕する側にもメリットがあるのです。この記事では、ボランティアに参加することのメリットを詳しく解説していきます。
ボランティアに参加することで、自信を取り戻し仕事や学校生活が充実したという報告もあります。日頃悩みを抱えていたり、自信を持てないと考えている人は、ぜひ参考にしてください。

ボランティアの魅力:人とつながる充実感

ボランティアは、奉仕される側だけでなく参加する側にもメリットがあります。
困っている誰かのために行動し、「ありがとう」喜んでもらえれば、幸せな気分で心が満たされるでしょう。
ボランティアはお金がもらえない無償奉仕ではありますが、共に支えあうことで多くの人とつながりあう充実感は心をとても豊かにしてくれるはずです。

自主的に行動することで自信に満ちた自分を獲得できるかもしれません。初めて会った人たちと共同作業を行うことで、社会性が豊かになり広い心を持つことができるでしょう。

その他にも、ボランティアに参加するメリットは様々あります。
以下で詳しく見ていきましょう。

ボランティアに「奉仕する側(参加する側)」のメリット

ボランティアは奉仕を受ける側だけでなく、奉仕する側(参加する側)もとても多くのメリットを得られます。

生活の質(QOL)を向上させる

晩年のボランティア活動が鬱病や孤独の絶対数を減らしたという研究報告だけでなく、ボランティアがQOL(クオリティ・オブ・ライフ=生活の質)や人生の満足度を増大させるという報告もあります。

病気に立ち向かう力を与える

病気を持つ人がボランティア活動に従事している間は、自分の病気や自分が抱えている問題について忘れてしまうことがよくあります。そして、ボランティア活動のおかげで日常生活でのパフォーマンスが向上したことを示す研究結果もあるといわれています。

健康的なライフスタイル

禁煙促進サービスにボランティアで参加した喫煙者達の多くが、喫煙を止めるようになったという研究があるといわれています。また、ボランティア活動をしている学生の飲酒量が減ったという結果もでています。

家族関係の向上

高齢のボランティア参加者と非参加者を比較すると、前者のほうが家族関係が良好であることがわかりました。また、支援する側という役回りがプライベートな人間関係にも応用され、結果的に過度に家族に頼らず自立した生活を過ごすようになる傾向があります。

新たな出会いをもたらす

ボランティア活動は、今まで出会ったことがない人との新しい出会いの場でもあります。特に孤立して社会に組み込まれなくなってしまいやすい高齢者にとっては絶好の機会といえるでしょう。

自尊心の向上と目的意識

ボランティア活動に従事すると自尊心が回復し、意欲を取り戻すことができるといわれています。自尊心が向上することは、健康や日常生活、仕事や学校環境に良い影響を与えると考えられています。

ボランティアで「奉仕を受ける側」のメリット

ある研究では、ボランティアには様々な分野があり多くの場所で行われているため、ボランティアを受ける側の効果を正確に調べることは難しいといわれていますが、以下にあげるような効果が得られると考えられています。

自尊心や自信の回復

長期間の病気の状態が続いて自分ができないことが増えてくると、患者の自尊心が下がってしまい自暴自棄になって病気のことを医師に相談しなくなり、病気の回復が遅れることがあります。ボランティアのサポートを受けて自分のできることが増えてくると、自尊心や自信を取り戻し前向きに治療に取り組む傾向があるといわれています。

社交性の回復と社会への適応

医療従事者よりもボランティアの参加者の方が患者に「より近い存在」であるため、医師などの医療従事者よりも共感を持たれやすいため、コミュニケーションをより多くとる傾向があるといわれています。また、ボランティア参加者の方が医師よりも患者と触れ合う時間が長いことも「患者の社交性の回復」につながるといえるでしょう。
ある研究によれば、ボランティアのサポートがきっかけで、患者の鬱病が治ったケースも報告されています。

介護者の負担軽減

介護者をサポートしてくれる存在がいることは、いつも介護を続けている人たちにとって大きな助けになります。介護者の負担やストレスが軽減されることで、介護活動の効率性が上がることが期待できます。

治療に対する不安を減らす

ある研究によると、治療を受ける予定のある患者がボランティアと話すと、治療に対する不安が減少するといわれています。

末期患者の生存期間延長

全ての患者に当てはまるわけではありませんが、ボランティアの訪問を受けている末期患者はそうでない患者と比べて、平均して1カ月程長く生きるという研究結果があります。

授乳と子供の免疫処置の促進

若い妊婦や障害を抱えた妊婦に関する研究によれば、ボランティアを通した電話やホットライン、家庭訪問などの支援は、授乳や予防接種の教育に役立っているといわれています。また、ボランティアは子供が定期検診を受ける頻度にも影響を与えてると考えられています。

来院率や処方薬、服用率の改善

医師と患者の間をボランティアが仲介することで患者が医師の指示に従うようになったり、薬の用法・用量や診察スケジュールを守るようになることが多いといわれています。

社会人がボランティアに参加するメリット

ボランティアは、時間が自由に取りやすい大学生などの参加が多く見られますが、近年は休日や就業後の時間を利用した社会人の参加が増えているといわれています。
仕事がうまくいかないと感じている人や、上司や同僚に認めてもらえないと悩んでいる人は、ぜひ一度ボランティアに参加してみてはいかがでしょうか。

ボランティア活動自体は決して楽な作業ではありませんが、一緒の立場で行動して多くの人に感謝されることで承認欲求が満たされ、大きな充実感を得ることができるでしょう。
また、ボランティア活動は自分で考え、自分の責任で行動を決定する必要があるため、責任感が養われます。責任感が成長することは、仕事にも大きく役立つはずです。

そして、ボランティア活動で出会った仲間達は、その後の人脈につながる可能性もあるのです。人脈の全てが仕事につながるわけではありませんが、人生を大きく変える出会いがあったということも珍しい話ではありません。

ボランティアのデメリットもきちんと理解しておこう

ボランティアは、奉仕される側だけでなく奉仕する側にもメリットがあることがわかったのではないでしょうか。
ただし、ボランティアに参加することはメリットだけでなく以下のようなデメリットがあることもきちんと知っておかなければいけません。

お金を大きく浪費する可能性がある

ボランティアでかかる費用は原則自己負担です。楽しいから、やりがいがあるからといって何も考えずに参加数を増やしすぎてしまうと、金銭的な負担が増えて生活に影響するおそれがあるので注意しましょう。

スケジュールを詰め込みすぎてしまうと、仕事や健康に悪影響がでる

ボランティアでの行動は全て自己責任です。人のためになるからといって自分の仕事や健康を省みずにスケジュールを詰め込んでしまうと、健康を害してしまったり、仕事に悪影響が出る可能性があります。

必ず感謝されるわけではない

ボランティアで奉仕活動をしたからといって、奉仕された側が必ず喜んでくれるわけではありません。ときには、煙たがり、邪魔者扱いされてしまうこともあるのです。
喜んでもらえるという見返りを期待せず、奉仕の心で取り組むようにしましょう。

おわりに:ボランティアはお金では得られない喜びを得ることができる

ボランティアには奉仕される側だけでなく、奉仕する側にも「良い影響」がたくさんあります。人のために尽くすことは、その人の人間の質を上げ、人生をより豊かにしてくれるでしょう。自分自身の生活や仕事、健康を犠牲にする必要はありませんが、普段仕事などで悩みを抱えてる人こそ、ボランティアの参加を検討してみてはいかがでしょうか?

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