記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2018/6/27
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
脳梗塞の一種であるラクナ梗塞とは、どのような病気なのでしょうか?アテローム血栓性脳梗塞との違いや再発予防について解説していきます。
脳梗塞は、脳の血管が動脈硬化により狭まり、そこに血栓ができて血管が詰まって血液が流れなくなる「脳血栓」と、心臓の血管などにできた血栓が剥がれて血液によって脳の血管に運ばれてしまい、脳の血管を詰まらせてしまう「脳梗塞」に分けられます。
このうち、脳内の深い部分にある細い血管が詰まることによって起こる脳梗塞を「ラクナ梗塞」といいます。
ラクナ梗塞は、脳の主幹脳動脈から枝分かれしている「穿通枝(せんつうし)」と呼ばれる細い血管がつまることで脳細胞が壊死する症状(壊死の範囲は15mm未満)です。穿通枝は直径100~300μmほどの細い血管で、脳内の深い部部に酸素や栄養を届ける働きがあります。
脳梗塞とは
などによって脳内への酸素供給や栄養供給ができなくなり、脳細胞が障害されてしまう病気です。脳梗塞は、詰まる血管の太さや詰まり方によって分類され、障害を抱える場所や範囲により現れる症状や程度が異なります。
ラクナ梗塞は、脳内の太い血管から枝分かれしている細い血管が、狭まったり詰まることにより発症します。特に高血圧のある人の発症率が高いとされており、日本人に最も多いとされる脳梗塞です。
アテローム血栓性脳梗塞は、太い血管に動脈硬化(アテローム硬化)による血栓ができる事により、血管が詰まる脳梗塞です。
などが主な発症要因になります。
比較的症状が軽い脳梗塞なので意識障害が起こることはほとんどありませんが
などが主な症状として現れます。
また、ラクナ梗塞が起こる場所によって
などを誘発することがあるので注意が必要です。
ラクナ梗塞は、脳細胞が壊死に陥る範囲が小さいため、症状が現れないこともあります(無症候性脳梗塞)。高齢者では別の検査のときのCTやMRIなどの画像で偶然発見されることも珍しくありません。
脳梗塞の再発を引き起こす要因として
などが挙げられます。
脳梗塞を予防するためには、これらの要因を悪化させないようにすることが重要です。
予防するためには
などをしっかりと行いましょう。
脳梗塞の再発予防のためには、再発を誘発する要因である高血圧や糖尿病、脂質異常症の治療や予防を続けることが大切ですし、必要に応じて抗血栓薬の服用を継続しなければいけない場合もあります。
医師の指示に従い、決められた用量・用法を守って治療薬の服用を続けましょう。
そして、血圧が
収縮期血圧(上の血圧) | 130mmHg以下 |
拡張期血圧(下の血圧) | 90mmHg以下 |
の状態を維持できれば脳梗塞の発症率が低くなるといわれています。脳卒中治療ガイドラインの血圧目標値である140/90mmHg未満になるように、血圧を管理しましょう。
血管が硬くなると脳梗塞になりやすくなるといわれています。脳梗塞を発症したことがある人でも、運動後に血管の働きが良好になることが示されているので、普段から適度な運動をするようにしましょう。また、脳梗塞の再発要因となる糖尿病や脂質異常も、運動をすることで改善する場合があります。
《 純アルコール量約20g相当量 》
ビール | 中ビン1本(500ml) |
日本酒 | 1合(180ml) |
焼酎 | 0.6合(110ml) |
ウイスキー | ダブル1杯(60ml) |
ワイン | 1杯(120ml) |
サプリメントの脳梗塞への影響については明らかにされていません。ただし、サプリメントの過剰摂取は体への悪影響となる場合があるので、注意しましょう。
ラクナ梗塞は、脳内の深い部分にある細い血管が詰まることにより起こる脳梗塞です。特に高血圧のある人に発症しやすいとされています。
などをしっかりと行うことが大切です。