記事監修医師
川崎たにぐち皮膚科、院長
ダニ刺されと蕁麻疹は、いずれも一般的な皮膚トラブルではありますが、発症経験のない人からすれば、どう違うのかなかなかイメージできないのではないでしょうか。以降ではそんな両者の違いや、それぞれに効く薬について解説していきます。
まず蕁麻疹とは、ほとんどの場合ははっきりした原因がわかりませんが、一部の人ではあわない食べ物を食べたときに皮膚の一部が突如赤くくっきりと盛り上がり、かゆくなる皮膚症状です。日本に自生しているイラクサ「蕁麻(じんま)」の棘に触れると、同様の皮膚症状が引き起こされることから、この名前がつけられたといわれています。
一方のダニ刺されとは、布団やカーペットなど室内にいるツメダニやイエダニ、屋外のマダニに刺されたことがきっかけで起こる、かゆみを伴う丘疹などの皮膚症状です(日常生活でよく起こるダニ刺されは、ツメダニとイエダニによるものがほとんどなので、以降ではこちらにしぼってお話ししていきます)。
いずれもかゆみや赤いただれが特徴ではありますが、両者には以下のような違いがあります。
ダニ刺されと蕁麻疹は、いずれも対処法の一つに薬物療法があります。有効な薬はそれぞれ以下の通りです。
ダニ刺されには、皮膚の表面で起こっているアレルギー反応の炎症を抑えるステロイド外用薬の塗布が有効です。代表的なステロイド成分としてはプレドニゾロン、ヒドロコルチゾン、デキサメタゾンなどがあり、市販薬で治療する場合は、これらが配合された薬を選ぶようにしましょう。
なお、軽度のかゆみや腫れであれば非ステロイド外用薬でも改善することがありますが、ある程度炎症が起きてしまっている場合は、ステロイド入りでないとなかなか効果が得られない可能性があります。
蕁麻疹には、抗ヒスタミン薬や抗ヒスタミン作用のある抗アレルギー薬が有効です。
そもそも蕁麻疹は、皮膚内の血管が一時的に膨らみ、血漿が周囲に滲み出たことで起こる症状なのですが、皮膚の血管の周囲には「マスト細胞」という顆粒がたくさん詰まった細胞が点在しています。このマスト細胞が顆粒を放出することで、血管が顆粒内の成分に反応した結果、起こるのが蕁麻疹ですが、この顆粒に含まれる主な物質こそが「ヒスタミン」です。ヒスタミンは皮膚の血管に作用すると血管を拡張させ、かゆみ神経を刺激します。だからこそ、蕁麻疹には抗ヒスタミン成分が有効なのです。
なお、蕁麻疹の場合は皮膚の深い場所で起こっている反応なので、内服薬か注射薬での投与が一般的で、外用薬ではあまり治療効果は得られません。漢方薬などそのほかの薬を補助的に使う場合もあります。
また、蕁麻疹は食べ物などのアレルゲンが原因で起きている場合もあるので、そういった原因物質を取り除くことも非常に重要です。ストレスや疲労の蓄積も蕁麻疹の悪化要因の一種といわれているので、生活習慣の改善も大切になります。
ダニ刺されと蕁麻疹は、見た目や消えるまでのスピードなどさまざまな点に違いがあり、そもそもの発症原因も異なります。自己判断での薬の使用は危険なので、皮膚トラブルが現れたらまずは皮膚科を受診し、専門医にしっかり診断してもらうようにしましょう。
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