非代償期の肝硬変、食事での注意点とおすすめレシピとは

2018/6/21 記事改定日: 2018/11/21
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山本 康博 先生

記事監修医師

東京大学医学部卒 呼吸器内科医

山本 康博 先生

肝硬変が進行して非代償期に入ると、肝機能の低下に伴い、腹水や黄疸、肝性脳症といった症状が見られるようになります。
非代償性肝硬変の段階では、こうした症状に合わせて薬物治療だけでなく食事療法も行う必要があるのですが、具体的にはどんなことに気をつける必要があるのでしょうか?以降で解説していきます。

非代償期の肝硬変の食事では、塩分を控えめに

非代償期の肝硬変に見られる代表的な症状に、腹水とむくみがあります。腹水とはお腹の内臓と内臓の隙間に溜まった水のことで、肝臓が硬くなるのに伴い肝臓への血流が妨げられ、門脈(胃腸や脾臓から肝臓へ血液を送る静脈)圧が亢進したことなどが原因で生じるようになります。
腹水が溜まるとお腹がぽこっと張ったようになり、下肢にもむくみが生じるようにもなります。

こうした腹水やむくみが見られる場合は、1日あたりの塩分摂取量を5〜6g程度に制限する必要があります。塩分を摂取すると、体に水分を溜め込みやすくなるためです。調理時は出汁や酸味をうまく活用する、汁物の汁は飲まないなどして、塩分をとりすぎないようにしましょう。

非代償期の肝硬変の食事では、たんぱく質の制限も必要

非代償期の肝硬変の症状に、肝性脳症というものがあります。普段肝臓はアンモニアなどの毒素を解毒・分解する役割を担っているのですが、肝硬変が進行するとその機能が低下し、血中にアンモニアなどの毒物が増えることで意識障害や昏睡に陥ることがあります。これが肝性脳症です。

このアンモニアは、たんぱく質が消化される過程で発生するものなので、肝性脳症の症状が出た場合はたんぱく質の制限が必要になります。脳症が出ている間は禁食が基本で、症状が落ち着いてきた頃から0.5g/体重(kg)のたんぱく食を開始し、徐々に1g/体重(kg)まで増やしていきます。

なお、肉類の過剰摂取で肝性脳症が出やすくなるともいわれているため、植物性たんぱく質を主体に摂取することが重要です。また、便秘によってもアンモニアが発生しやすくなるので、食物繊維も併せて積極的に摂るようにしましょう。

肝硬変の非代償期には、刺激物や硬い食べ物は避ける

肝硬変によって門脈の血液が停滞し、門脈圧が亢進すると、血液が胃や食道に逆流することで胃腸の静脈の血液量が増え、コブのように膨れる静脈瘤が形成されることがあります。

こうした静脈瘤が確認された場合は、刺激の強いものや硬い食べ物(小骨のある小魚やフランスパン、おせんべいなど)の摂取は避けてください。大きな塊を丸呑みするようなことも避け、おかゆやうどん、ヨーグルトなど柔らかいものを中心に食べるようにしましょう。

肝硬変の非代償期では、糖質コントロールも必要

肝硬変患者は、肝臓で糖を調整する機能が低下するために肝性糖尿病を発症することがあります。この場合は食後の血糖値の上昇を防ぐために、一気に大量のものを食べるのはやめる、お菓子や果物など吸収率のいいブドウ糖の過剰摂取は避ける、炭水化物の多い食品を摂りすぎない、といった点に注意する必要があります。

肝硬変の非代償期におすすめのレシピ

肝硬変の非代償期には、肝臓への負担を極力減らすためにたんぱく質を厳密に資源し、食道静脈瘤などが破裂する危険を避けるために塩分を控えたり、固い物や刺激物を避ける必要があります。
ここでは、肝硬変の非代償期におすすめのレシピを3つご紹介します。

具だくさん野菜スープ

じっくり煮込んだ野菜はのど越しがよく、加熱すると失われがちなビタミン類もスープと共に飲むことで十分に補うことができます。さらに、野菜はたんぱく質が少ないので、肝硬変の非代償期にはメインに取り入れるようにしましょう。
キャベツや白菜、大根、ニンジンなどお好みの旬の野菜を小さめにカットし、ひたひたのお湯でじっくり煮込みます。箸で崩れる程度の硬さになったら、コンソメや塩コショウで味付けして完成です。
野菜をじっくり煮込むことで味が出るので、塩分を最小限に抑えることができますよ。

ブロッコリーとトマトのサラダ

ブロッコリーには体内の水分を排出する作用のあるカリウムが豊富に含まれていますので、むくみがある時に積極的に摂りたい食材です。さっぱりとしたサラダにすることで、タンパク質も極力抑えることができます。
ブロッコリーは小分けに切って、しっかり茹でます。皮むきをしておいたトマトはくし切りにしておきます。鰹節や昆布でとっただし汁に塩コショウを加えてお好みに味付けし、トマト・ブロッコリーを盛りつけたお皿に回し入れたら完成です。

フルーツスムージー

厳密な食事制限中でも、甘みのあるおやつや飲み物は摂りたくなるものですよね。肝硬変の非代償期の人には、食道への刺激が少なく、甘みを抑えたスムージーがおすすめです。
リンゴやバナナなどお好みのフルーツを細かくカットし、適量のヨーグルトと牛乳に投入し、はちみつで味付けします。これをブレンダーやミキサーで一気に撹拌すれば完成です。

おわりに:非代償期の肝硬変では、症状に応じた食事療法が必要

非代償期の肝硬変では、腹水や肝性脳症、食道静脈瘤などさまざまな症状が起こるようになるため、それぞれの症状に応じた食事療法が必要になります。
症状を改善し、肝機能を悪化させないためにも、おすすめレシピも参考にしながら日常生活からできる努力を続けていきましょう。

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