記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2018/6/20
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
「花粉症になってから鼻血が出やすくなった」という人は実は少なくないのですが、花粉症で鼻血が出るのにはどのような原因があるのでしょうか?また、どう対処をすればいいのでしょうか?以降で解説していきます。
花粉症状を引き起こしている鼻の粘膜は、炎症により薄く傷つきやすい状態になっています。その鼻粘膜が炎症を起こしている状態で、こすったり何度もティシュでかむと、鼻血が出やすくなってしまいます。
花粉症で使用される鼻炎薬は、分泌腺や血管への刺激を抑えることにより、鼻水や鼻詰まりを改善する作用があります。
しかし過剰に抑制作用が働くと、逆に鼻や口内の粘膜が乾燥することがあるので、注意が必要です。粘膜が乾燥すると、炎症が発生しやすくなるため、頻繁に鼻をかんだりこすりすぎると、鼻血が出やすくなります。
鼻血が出たときに、上を向いたり体を横向けることは危険とされています。
そのため、まずは椅子の背もたれや壁ににもたれかかって座り、頭は下に向けるようにしましょう。どうしても横になりたい場合は、枕などで頭の位置を高くするようにしましょう。頭が上を向いていると、血液を飲み込んでしまい嘔吐の原因となることがあるので、血液が口の中に流れてきた場合は吐き出すようにしましょう。
出血を抑えるためには、鼻の中に刺激を与えないようにティッシュで鼻を押さえましょう。また、出血している方の鼻を、血管を圧迫するように指でつまむとより効果的です。
出血を止めようと焦るのではなく、リラックスすることが大切です。
一度出血がおさまった後に、鼻の中のかさぶた(血液の固まり)をはがすと、再び出血してしまうため無理にはがさないようにしましょう。強く鼻をかんだり、ティッシュでこすることなども禁物です。また、高血圧の人は出血がなかなか治まらないことがあるので、出血が長引く場合は、医療機関を受診しましょう。
花粉症は治療により症状を軽減することはできますが、完治させることは難しいとされています。そのため、しっかりと予防対策をしていても鼻の粘膜に炎症が起こる可能性があります。
また、花粉症は1度発症すると炎症が治まるまでに時間がかかり、鼻血が出やすい状態となります。まれに鼻血が出る程度であれば、自分で対処をすることができますが、何度も鼻血が起こる場合は医療機関を受診しましょう。鼻洗浄や処方薬の服用により症状が改善する可能性があります。
花粉症になると、鼻粘膜の炎症や薬の副作用によって鼻血が出てしまうことがあります。鼻血が出たときには、椅子や壁ににもたれて座り頭は下を向きましょう。また、鼻の中を刺激しないことや、かさぶたを取らないようにすることも大切です。慌てずに対処しましょう。