短期集中型ダイエットが失敗しやすいのはナゼ?

2017/3/23 記事改定日: 2018/2/27
記事改定回数:1回

三上 貴浩 先生

記事監修医師

東京大学医学部卒 医学博士

三上 貴浩 先生

低炭水化物ダイエットやバナナダイエット、デトックス・ダイエットなど、短期間で手早くやせられるというダイエット法はたくさんあります。しかし、こうしたダイエット法は効果がすぐに現れる分、ダイエットをやめたとたんにリバウンドしやすいのも事実です。
短期集中型ダイエットが失敗しやすいのはどうしてでしょうか?
今回は短期集中型のダイエット方法の問題点と、長い目で見て健康的にヤセるための方法を紹介します。

冷凍宅配食の「ナッシュ」
冷凍宅配食の「ナッシュ」

短期集中型ダイエット方法の問題点とは?

短期集中型のダイエット方法の最大の欠点は、短期的な成果を出すことに特化していることが多いため、一時的に体重が減っても効果が一時的でリバウンドしやすいということです。
リバウンドを招きやすい理由としては
◆食事制限によって筋肉量が減り、基礎代謝量が低下するため
◆食事量を元に戻したことで摂取エネルギー量が増えたため
◆極端な食事制限が体に飢餓状態と認識を与え、ダイエット中や直後はエネルギーを蓄えやすい状態になっているため
◆「1週間○○だけダイエット」などの極端な食事制限によるストレスの反動で、ダイエット後に過食をしてしまうため
・・・などの原因があげられます。

また、その他の問題点として以下のようなものがあげられます。

ダイエット中に気分が悪くなる

短期集中型のダイエット方法は食事量を大幅に制限するものが多いため、栄養不足によって気分が悪くなることがあります。また、栄養バランスを崩してしまうので、長期的にみると健康に悪い影響を及ぼす可能性があります。

必要な栄養素を摂取できなくなる

短期集中型のダイエット方法の中には、肉や魚、小麦、乳製品といった特定の食品を食べないものがあります。これにより、体にとって必要な栄養素やビタミンを摂取できなくなるリスクがあります。

脂肪分が増える

炭水化物の摂取を大幅にカットする低炭水化物ダイエットは、短期間で体重を落とすことはできるかもしれません。しかし、炭水化物の代わりにたんぱく質や脂肪分の摂取量が増えてコレステロール値が上昇し、心臓病のリスクが高まります。また、人によっては口臭や頭痛、便秘といった不快な症状が出ることもあります。

無理を伴うものが多い

短期集中型のダイエット方法の中には、キャベツやバナナ、納豆など、特定の食品だけ摂取することを勧めるものがあります。また、1週間のうちの数日間断食を行うこともあります。

こうしたダイエット方法は、短期間であれば効果があるかもしれませんが長期的に続けるとストレスになるので、結果的には健康に悪影響を及ぼす可能性が高いです。

長い目で見て健康的にやせるには、どんなことをすれば良い?

体重は、食事から摂取するカロリーが普段の活動・運動で燃焼するカロリーを超えてしまうことで増えます。よって、健康的に体重を減らしながらその状態を維持し続けるためには、日々の食生活や運動の習慣を少しずつ変えることが必要です。
1回当たりの食事量を減らす、糖分・脂肪分・アルコール含有量の少ない飲み物を選ぶ、一駅分歩くなど、日々の生活習慣を少しずつ変えて長期的なスパンで健康的な減量を行いましょう。

痩せたいと思ったなら、まずは1週間あたり0.5~1kgずつ(元の体重から5~10%)体重を減らすことから始めてみてください。個人差はありますが、1日に必要なカロリー数から500~600kcal分ぐらいを減らすように心がけると比較的体重を落としやすいです(体重を維持するために必要なエネルギーは、一般的な男性であれば約2500kcal、女性であれば2000kcalと言われています)。

無理なく、健康的にダイエットをしよう!

上の項目で説明したように、健康的に体重を減らすためには小さな工夫を毎日続けていくことが大切です。無理なくダイエットを続けるために役立つコツを見ていきましょう。

摂取する脂肪分を減らす

調理するときに肉から脂身を取り除く、スキムミルクや低脂肪乳を飲む、パンに塗るバターやマーガリンを低脂肪タイプのものに変える、生クリームの代わりにヨーグルトを使う、といった工夫ができます。

全粒粉や玄米など、精製されていないものを食べる

全粒粉のパンや玄米など、全粒の穀物を使った食品は精製されたもの(小麦粉、白米など)よりもゆっくりと消化されるたので満腹感が長く続きます。

朝食を食べる

健康的な朝食をとることで1日のスタートに必要なエネルギーを補給できます。また、毎日朝食を摂る人のほうが朝食を食べない人よりも太りにくいという研究結果も出ています。

小腹が空いたらまずは飲み物を!

実際は喉が渇いているだけなのに、お腹がすいていると勘違いしてスナック菓子を食べてしまうことはありませんか?スナック菓子を食べたいなと思ったら、まずは飲み物を飲んでみてください。
その際は、脂肪分や糖分、アルコール含有量の低いものを飲みましょう。
たとえば、糖分の高い炭酸飲料の代わりにレモンスライスを添えた炭酸水を、砂糖の入った紅茶ではなく無糖の温かい紅茶を選びましょう。

定期的に運動する

定期的な運動には体重を減らす効果だけでなく、深刻な病気の発症リスクを抑える効果もあります。
必要な運動量には個人差がありますが、19歳~64歳の人で初めて定期的な運動に取り組む人は、1週間あたり150分間、エアロビクスのような有酸素運動を取り入れることから始めるのがおすすめです。

おわりに:短期集中よりも長期的なスパンでダイエットをしよう!

短期集中型のダイエット方法は即効性があり、しかも実際に減量できるという魅力があります。しかし、その効果は一時的なもので、比較的短期間でリバウンドすることも少なくありません。
ダイエットで大切なのは、体や心に負担をかけることなく体重を減らすこと、そして、スリムになった状態を維持し続けることです。すぐに効果がでなくても焦らずに、長い目で見た方法で着実に体重を減らしていきましょう。

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