記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2018/7/5
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
不特定の相手とコンドームなしでの性行為に及んでしまったとき、リスクとして考えられるのが性病への感染です。不安を解消するためにも、感染しているかどうかすぐに調べたいものですが、症状が出ていない潜伏期間中でも検査は可能なのでしょうか?
性病は、潜伏期間中も原因菌やウイルスが体内に存在しているため、検査可能です。ただし、検査可能な時期は性病の種類によって異なります。主な性病の検査時期については、詳しくは以下をご参照ください。
ご紹介したように、クラミジアや淋病、トリコモナスなど、尿検査や腟分泌液で検査可能な性病については、感染してから早い段階で検査を受けることができます。しかし、梅毒やAIDSなど血液検査が必要な検査は、性行為の直後に検査を行っても正確な結果を知ることはできません。こうした血液検査では、菌やウイルスが体内に入ったことでつくられる「抗体(免疫細胞が生成するタンパク質)」の有無を検査するのですが、この抗体は感染後すぐにつくられるものではなく、検出可能な量になるまである程度の期間が必要だからです。
なお、AIDSの原因ウイルスであるHIVに関しては、感染後4週間後ほどで陽性判定される場合もあるので、早期検査をする意味はあります。しかし、確実に陰性判定を確認するには、感染が疑われる行為をして3ヶ月以上経ってからの検査がおすすめです。3ヶ月未満でのHIV抗体検査の結果の信頼性については、以下のようになっています。
感染行為から1ヶ月後のHIV抗体検査での「陰性」判定 | HIV感染の可能性は「低い」 |
感染行為から2ヶ月後のHIV抗体検査での「陰性」判定 | HIV感染の可能性は「非常に低い」 |
感染行為から3ヶ月後のHIV抗体検査での「陰性」判定 | HIV感染の可能性は「ない」 |
性病の種類によっては、感染が疑われる行為をしてから1〜2日後に検査ができますが、梅毒やAIDSなど特定の性病の場合は、少し期間を空けてからでないと正確な検査結果が得られない恐れがあります。その点に留意しながら、感染が疑われる場合は早めに性病科などで検査を受けるようにしましょう。
また、性病は感染してしばらく経ってもほとんど症状が出ない人も少なくありません。不特定多数の人と性行為をした人などは、特に定期的な性病検査をおすすめします。