脂肪腫が悪性に変わることってあるの?良性か悪性かはどう判別する?

2018/10/30

谷口 隆志 先生

記事監修医師

川崎たにぐち皮膚科、院長

谷口 隆志 先生

脂肪腫は脂肪のかたまりのことで、良性のもの(脂肪腫)と悪性のもの(脂肪肉腫)があります。良性の場合は体に害を及ぼす可能性はないのですが、悪性の場合はすぐに治療が必要となります。
以降では、そんな脂肪腫が良性か悪性かの判別はどのように行われるのかについて、ご紹介していきます。

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脂肪腫が悪性の腫瘍になる可能性は?

脂肪腫は良性の場合、放置しておいても良性のままで悪性の腫瘍になることはありません。しかし、摘出後に病理検査をしたときに、良性の脂肪腫ではなく悪性の脂肪肉腫だったという可能性もごく稀にあります。

皮下にしこりがあっても、痛みがないとつい放置してしまいがちです。暇なときに病院に行けばいいと思っていても、面倒でなかなか行く決心ができず、気が付いたらしばらく時間が経ってしまった・・・という人も多いです。しかし「きっと大丈夫だろう」「多分良性だろう」という自己判断は危険です。まずはすぐに病院で検査してもらいましょう。

悪性だった場合、放置しておいた分症状が進行していることも少なくありません。少しでも早く検査することをおすすめします。

脂肪腫が悪性かどうかはどうやって診断する?

脂肪腫の診断は、臨床症状と画像検査で行われます。画像検査で用いられるのはエコー検査・CT検査・MRI検査です。画像検査では、皮膚由来の嚢腫ではないかなどをチェックします。ただし脂肪腫と悪性の脂肪肉腫は画像だけで区別がしきれないことも多いため、摘出して病理組織学的な検査を行うのが確実です。

どの病院でも基本となる治療は統一されています。必ず切除して病理検査を行い、良性かどうかを確かめるところまでが脂肪腫の治療法です。もしもの場合を考えての治療と聞くと、悪性だったらどうしようと不安になりますが、良性だった場合は安心できますし、万が一悪性だった場合は早く気づいたことで早く治療を始められます。脂肪腫を見つけたら、適切な診断を受けることをおすすめします。

おわりに:脂肪腫が見つかったら、まずは検査を受けよう

脂肪腫を見つけたら、痛みもないからそのままにしておこう・・・という自己判断はとても危険です。もしも悪性だったら、早く治療を受けなくてはいけなくなります。まずは病院で必要とされる検査を受け、良性か悪性かを確かめてから適切な治療を受けましょう。

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