記事監修医師
川崎たにぐち皮膚科、院長
かゆみが長く続き、皮膚が粉をふいてゴワゴワしてくるなど、大人のアトピー性皮膚炎は子供のアトピー性皮膚炎とは違った症状が出ることも多いです。発症すると完治が難しく、長く付き合っていかなくてはいけない、といわれています。どうして大人のアトピー性皮膚炎は完治しづらいのでしょうか。
大人のアトピー性皮膚炎は、頭や首、胸や背中といった上半身を中心とした湿疹が主な症状です。しかし、湿疹に似た皮膚の症状が出る疾患は膠原病や乾癬、悪性リンパ腫など多岐にわたるため、まずは何が原因として発生している皮膚の症状かを見分ける必要があります。
アトピー性皮膚炎の場合はかゆみが強く発生し、皮膚が全体的に赤くなったりガサガサした湿疹が出たりするのが特徴です。また皮膚が固くなったり、魚のうろこのようなフケが出たりという皮膚の変化も感じられます。
アトピー性皮膚炎では、こういった症状が治ったり悪化したりを繰り返しますが、大人のアトピー性皮膚炎は特に完治が難しいとされています。その理由は、子供と違って成長による改善がすでに期待できないからです。長年の生活習慣が原因の一部となっていることも多いため、大人のアトピー性皮膚炎はそうした生活習慣が原因で重症化してしまうケースがほとんどといわれています。
まずは生活習慣を改善させる必要がありますが、大人になるまでに身につけた生活習慣を変えていくことがなかなかできないことも完治が難しいとされる理由といえるでしょう。
大人のアトピー性皮膚炎を完治させるためには、生活習慣の見直しが重要とされています。
など自分の生活習慣を見つめ直してみましょう。生活習慣を改善するだけで皮膚症状が落ち着くこともあります。また皮膚の清潔を保ったり保湿をしたりというお手入れも大切です。
特に意識してほしいのは、食生活と入浴法です。
腸内環境がアトピー性皮膚炎を悪化させるともいわれているため、乳酸菌を含む食品や海藻の摂取をおすすめします。
刺激の少ない洗剤やタオルなど、肌に優しいものを使いましょう。患部を清潔に保つことで、使用するステロイド剤の効果が高まります。
大人のアトピー性皮膚炎は、子供のアトピー性皮膚炎のように成長するにつれて治っていくものではありません。そのため、長期にわたって付き合っていかなくてはいけない症状で、完治も難しいとされています。
しかし、あきらめる必要はありません。普段の生活習慣を見直してアトピー性皮膚炎の原因を取り除き、適切な治療を続けていれば症状が和らいで症状を抑えられる可能性もあります。大人のアトピー性皮膚炎は重症化していることも多いですが、あきらめずに症状のコントロールを目指し、治療を続けていきましょう。
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