記事監修医師
前田 裕斗 先生
2018/8/6
記事監修医師
前田 裕斗 先生
赤ちゃんに悪影響を与えるので、妊娠中の喫煙は避けるべきだとされていますよね。でも、具体的にどのような悪影響があるのか知っていますか?
今回は赤ちゃんの健康のために知っておきたい妊娠中の喫煙による影響について、禁煙の方法とあわせてご紹介していきます。
たばこに含まれるニコチン・一酸化炭素・シアン化合物・鉛などの作用により、妊娠中の喫煙は赤ちゃんの発育と健康に以下のような影響を及ぼします。
上記に挙げた数値を見ればわかる通り、妊娠中の喫煙と赤ちゃんの発育・健康状態には、明らかな相関関係が確認されています。また、母親の喫煙本数・頻度が増えれば増えるほど、出生時の体重減少や早産率に悪影響が出ることもわかっているのです。
妊婦本人ではなく、家族など周辺の人からの受動喫煙が赤ちゃんに及ぼす影響については、どの程度の因果関係があるのかわかっていません。しかし平成5年の調査によると、家庭・職場によって受動喫煙のあった妊婦が出産した赤ちゃんに、低体重の傾向が見られたというデータもあります。
このため、赤ちゃんの健康と健やかな成長を第一に考えるのであれば、妊婦本人の喫煙と同等に考え、受動喫煙も徹底して避けるべきだと考えられます。少しでもたばこのにおい・煙が妊婦の身体に入るのを避けるため、勤め先やパートナー・家族の協力を得て、禁煙・分煙環境を整えるのが望ましいでしょう。
最後に、妊娠を機に禁煙する効果的な方法とコツをご紹介していきます。
まず妊娠したとわかったらたばこを捨て、周囲に「禁煙宣言」とともに協力を呼びかけ、物理的に喫煙できない状況を作ってください。煙草に含まれるニコチンには依存性があるため、最初の1週間程度はイライラや集中力の低下などの中毒症状が出ますが、時間とともに落ち着いてきます。
もし禁煙を続けられずにたばこを吸ってしまっても、禁煙できた期間を記録して少しずつ伸ばしていけば、達成の励みになります。どうしても自分の力だけで禁煙するのが難しい場合は、産婦人科の医師に相談したり、禁煙外来のサポートを得て禁煙するのも良いでしょう。
禁煙による効果には即時性があるため、妊娠3~4か月までに禁煙できれば、喫煙による赤ちゃんへの悪影響はかなり軽減できるとされています。
赤ちゃんの健康のために、お母さんとして最初のプレゼントをするつもりで、禁煙を継続できるよう努力してくださいね。
妊婦本人の喫煙はもちろん、周囲や家族による受動喫煙も含めて、喫煙は赤ちゃんの健康と成長に深刻な悪影響を及ぼします。赤ちゃんのことを第一に考えるなら、妊娠中は少しのにおいも煙も吸い込まないよう、周囲の環境を整える必要があるでしょう。妊娠中の禁煙は、早ければ早いほど良いとされます。妊娠したとわかったら、周囲の人や禁煙外来など専門医の協力も得て、禁煙の努力をしてください。
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