肝斑とはどんなもの? ― シミとの違い、診断・治療法を解説!

2018/9/27

谷口 隆志 先生

記事監修医師

川崎たにぐち皮膚科、院長

谷口 隆志 先生

年齢を重ねると顕著になる肌トラブルとして、代表的なシミや肝斑(かんぱん)。
今回は、きれいな肌を保つために知っておきたい肝斑の正体や加齢性のシミ(日光黒子)との違い、また肝斑ができてしまったときの正しい対処法まで、わかりやすくご紹介していきます。

肝斑とは?

肝斑は、ほほや目の下、目尻、額など頬骨の周辺に左右対称に現れるシミの一種です。
また出現する場所以外にも、肝斑には以下のような特徴があります。

肝斑にみられる特徴

  • 部分的にシミになっているのではなく、広範囲に褐色になっている(基本的には境界ははっきりしないが、一部はっきりした境界が出ることもある)
  • 目の下は変色していないので、目の周りだけが白く色抜けしたように見える
  • 20代まではなかったのに、30代・40代になって左右対称のシミが浮き上がってくる
  • 30代・40代の頃に出現した左右対称のシミが、60代前後になって薄くなる  など

肝斑と加齢性のシミって何が違うの?

ここからは肝斑と加齢性のシミの違いについて、シミの特徴と比較することで探っていきましょう。

加齢性のシミに見られる特徴

  • 頬骨や周辺以外にも、顔や手足などに出現する
  • 肌の変色が小さな粒状で、左右対称ではない
  • 肌の変色度合いが濃く、もともとの肌色との境界線がはっきりしている
  • 変色しているところの皮膚が、他の皮膚よりも硬くなっている  など

上記に挙げたシミの特徴と、前項で述べた肝斑の特徴を比較すると、シミと肝斑には出現時の位置・左右対称かどうか・色合いにおいて、大きな違いがあるとわかります。

また加齢性のシミと肝斑ができる原因にも、それぞれ以下のような違いがあります。

  • 肝斑ができる原因…はっきりと解明されていないが、女性ホルモンの働きが原因で皮膚が茶色く見える原因となるメラニン色素がたくさん作られている
  • 加齢性のシミができる原因…紫外線によるダメージが蓄積された結果、メラニン色素を持った皮膚の細胞が増えてしまっている

肝斑かどうかはどうやって見分けるの?

肝斑とシミの違いがわかったところで、ここからはどうやって肝斑と診断するのか、その診断基準を見ていきましょう。

一般的に、以下の項目に複数当てはまる場合は、肝斑であると診断されます

肝斑の診断基準、チェックリスト

患者が女性で、年齢が30~40代であるかどうか
ぼんやりとしたシミが、顔の両側に左右対称に発生しているかどうか
ぼんやりとしたシミが、目の周りを避けるように広範囲に出現しているか
妊娠やピルの服用など、ホルモンバランスの変化がきっかけで発症した可能性はあるか

肝斑だとわかった場合の治療法は?

肝斑だとわかった場合は、複数ある治療の選択肢の中からその人の状態にあった方法を選んだり、組み合わせたりして、肝斑治療を進めていきます。
肝斑治療の代表的なものとしては、以下のような選択肢があります。

内服薬や外用剤を使った「投薬治療」

肌への色素沈着を抑制する効果のあるトラネキサム酸の内服と、ビタミンCやハイドロキノンなど美白効果のある外用薬を使った治療法です。
その人の状態にあわせて、内服薬と外用薬を組み合わせた治療も行われます。

沈着した色素除去効果が期待できる「レーザー治療」

肝斑の原因である肌の色素沈着を起こすメラニン細胞を、レーザーを照射することで破壊し、肝斑の改善を目指す治療法です。
ただし、人によってはレーザー治療で肝斑が悪化することもあるので、注意が必要です。

皮膚のターンオーバーを促進する「ケミカルピーリング」

肌のうち、再表層の皮膚をうすく溶かして取り除くことにより、皮膚のターンオーバー(代謝)と促してメラニンを排出させ、肝斑を薄くする治療法です。

肌本来の機能を高める効果が期待できる「ビタミンC誘導体イオン導入」

肌に良いビタミンC誘導体イオンを導入して、皮膚が本来持っている代謝やバリア機能を高め、さらにメラニンの産生を抑えて肝斑の改善を目指す治療法です。

なお、上記のような肝斑治療の効果は治療開始からすぐに現れるものではありません。治療開始から1~2か月後を目安に、肝斑部分がその人がもつ肌色・明度に近い状態に戻ってくることで、効果を実感することができます。

おわりに:肝斑はシミとは違う!診断・治療は皮膚科の病院に相談を

出現する位置や原因、また出現しやすい人の年齢・性別などにおいても、肝斑と加齢性のシミには大きな違いがあります。このため、30~40代の女性特有の肌トラブルともいえる肝斑を適切に診断・治療するには、皮膚科医の専門知識が必要です。最近顔色が悪い、顔の両側に大きなシミがあるという人は肝斑の可能性がありますので、一度皮膚科を受診すると良いでしょう。

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