液体窒素でいぼを治すメリット・デメリットってどんなもの?

2018/9/21

谷口 隆志 先生

記事監修医師

川崎たにぐち皮膚科、院長

谷口 隆志 先生

いぼの治療法にはさまざまな方法があります。中でも液体窒素による治療はほとんどの皮膚科で受けることができる一般的な治療法です。そこで今回は、液体窒素による治療法やメリット・デメリットなどをご紹介します。

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いぼの治療法ってどんなものがあるの?

いぼの治療法には、液体窒素療法やレーザーによる治療、またサリチル酸を配合した絆創膏による治療などさまざまなものがあります。

液体窒素療法

液体窒素療法は液体窒素によって、いぼができた細胞ごと壊す治療法です(詳しくは後述します)。いぼ治療の中で最も一般的な治療法です。

レーザー治療

レーザーによる治療では、炭酸ガスレーザーや電気メスによっていぼを焼き焦がすことで、いぼを取り除きます。ただし治療後は傷となるため、抗生物質を配合した軟膏を塗り、ガーゼなどで保護します。

一度でいぼを取り除けるため、一回の治療で完治できる可能性のある治療法といわれています。

サリチル酸の絆創膏による治療

サリチル酸の絆創膏による治療では、サリチル酸によって皮膚をやわらかくし、いぼを剥がれやすくします。ほぼ毎日絆創膏をいぼに貼り、数日ごとに貼りかえる必要がありますが、液体窒素療法と比べて痛みが少ないことが特徴です。

液体窒素でどうやっていぼを治療するの?

液体窒素療法は、-196℃の液体窒素を使用してウイルスに感染した細胞を壊すと同時に皮膚の免疫を活性化させる治療法です。窒素は空気中の約8割を占める身近な物質なため、基本的に害はないといわれています。-196℃で液体となった液体窒素を綿棒などに染み込ませ、いぼに数回当てることで凍結と融解を繰り返し、凍傷の状態にします。いぼに液体窒素を当てる回数は、3回程度が一般的ですが、いぼの大きさや効果に応じて調整します。

液体窒素療法は、ウイルスに感染した細胞を凍結させることで組織を壊死させ、新しい皮膚の再生を促進させる治療法です。一度の治療で完治させることは難しいため、おおよそ1週間に1回程度のペースで治療を続けます

液体窒素でいぼを治療するメリット・デメリットは?

標準的治療のため、どこの皮膚科でも治療を受けることができる上に、他の治療法と比べて比較的効果が高いといわれています。また、治療効果やいぼの大きさを見ながら治療を進めることができることも特徴です。保険が適用されるため、費用も1,000円前後で済む場合もあり、安心して治療できるでしょう。また1回の治療は5分程度で終わるのも嬉しいメリットです。

ただし、治療中や治療後にも痛みを生じる可能性の高い治療法で、日を開けて治療を進めるため、完治するまでに長い時間を必要とする場合があります。また治療後に水ぶくれができたり、黒く変色する恐れもあります。

液体窒素の治療後に気をつけることは?

液体窒素療法では、治療後に血豆や内出血が生じる場合があります。ただし、血豆の多くは皮膚の新陳代謝によって剥がれ落ち、内出血も徐々に気にならないほど薄くなっていくものです。もしできてしまった場合には、針でつぶしたり、取り除こうとしないようにしましょう。他の場所にウイルス感染する可能性があります。自然に破けてしまった場合には、ガーゼなどで保護し、悪化させないようにしましょう。

おわりに:液体窒素による治療法が、最も広く知られているもの

いぼの治療では、液体窒素による治療が最も一般的なものです。ただしメリット・デメリットなどがあるため、自分に合っているかをよく確認した上で治療を進めていきましょう。

※抗菌薬のうち、細菌や真菌などの生物から作られるものを「抗生物質」といいます。 抗菌薬には純粋に化学的に作られるものも含まれていますが、一般的には抗菌薬と抗生物質はほぼ同義として使用されることが多いため、この記事では抗生物質と表記を統一しています。

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