記事監修医師
川崎たにぐち皮膚科、院長
主に性行為によって陰毛に感染し、激しいかゆみを引き起こす毛じらみ。実はこの毛じらみは、薬局や通販などで売っている市販薬で治療が可能です。以降ではそんな毛じらみの市販薬の使い方や値段などについて、詳しく解説していきます。
毛じらみ(毛じらみ症)とは、「ケジラミ」という吸血性の昆虫が寄生したことで発症する病気です。主に性行為で陰毛と陰毛が接触することで感染し、感染箇所(主に陰毛)での激しいかゆみや、下着に付着した茶色い粉末(ケジラミの糞便)などを引き起こします。
この毛じらみの治療法には、まず以下の2種類があります。
このうち薬物療法とは、スミスリン®L(0.4%フェノトリンシャンプー)とスミスリン®パウダー(0.4%フェノトリンパウダー)による治療です。いずれも処方薬ではなく、薬局などで市販されている薬になります。
また、これらの薬はケジラミの卵への効果は弱いため、3~4日ごとに3~4回使用することで、卵の孵化期間(1週間程度)も見越した治療を行っていく必要があります。
シャンプータイプの治療薬です。人に寄生するケジラミ、アタマジラミに優れた駆除効果を発揮します。使用方法は以下の通りです(必ず使用説明書を読みながら行ってください)。
スミスリン®Lシャンプータイプ(80mL)の希望小売価格は2,980円(税込)ですが、薬局や通販など販売店によって実際の販売価格は異なります。
パウダータイプの治療薬です。スミスリン®Lと同様、ケジラミ、アタマジラミに優れた駆除効果を発揮します。使用方法は以下の通りです(必ず使用説明書を読みながら行ってください)。
スミスリン®パウダー(30g)の希望小売価格は2,052円(税込)ですが、薬局や通販など販売店によって実際の販売価格は異なります。
毛じらみの市販薬を子供が使うときは、誤飲や目などに入る恐れがあるため、必ず保護者の監督・指導のもと、使用するようにしてください。
先ほどもお伝えした通り、毛じらみの治療法としては、薬物療法以外に剃毛があります。ただ、剃毛は感染箇所が陰毛に限られる場合は有効ですが、髪の毛や胸毛、腋毛などその他の体毛で寄生している場合には実施が難しいため、あまりおすすめはできません。
また、陰毛を中途半端に剃ったことによって、ケジラミが肛門周囲や大腿部、おへそ周辺の体毛に移動する事例も存在します。
ご紹介した毛じらみ治療の市販薬は、いずれも薬局や通販などで購入可能です。ただし、確定診断を受けていないのに、「たぶん毛じらみだろう」と自己判断して使用をするのは控えてください。別の疾患の可能性もあるので、陰部のかゆみやかぶれなどの皮膚症状が出たら、まずは皮膚科などの専門外来を受診しましょう。
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