おしるしが大量に出ることってあるの?

2018/9/20 記事改定日: 2019/9/20
記事改定回数:1回

前田 裕斗 先生

記事監修医師

前田 裕斗 先生

一般的なおしるしの量はどのくらいなのでしょうか?大量に出ることはあるのでしょうか?
今回は、おしるしの量について解説していきます。おしるしは個人個人で違いはありますので、参考として覚えておいてください。

冷凍宅配食の「ナッシュ」
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おしるしの量ってどのくらいが普通なの?

おしるしの量は個人差がありますが、一般的には「おりものシート」に少量付着する程度から生理の少ない日程度の量の人が多いといわれています。

また陣痛開始後は、生理の多い日程度の量でどろっとしたおりものが排出される人もいます。下着を汚さないように、臨月には生理用ナプキンを持ち歩くようにしたほうがいいでしょう。

ただし、おしるしの量や色には個人差があり、なかにはおしるしが全くこない人もいます
おしるしが来なくてもあまり心配する必要はなく「おしるしがきたら出産が近い」サインという程度に考えておくといいでしょう。

おしるしがたくさん出たら、どんな危険がある?

おしるしのは、多い場合でも月経ほどの量で大出血することはありません。
明らかに大量の血液が出る場合は、おしるしではなく、何らかのトラブルによる出血の可能性があります。

このような大出血の原因となる病気としては、常位胎盤早期剥離や前置胎盤などが考えられます。

常位胎盤早期剥離
通常の胎盤は、赤ちゃんが産まれた後に排出されて自然に止血します。
しかし、常位胎盤早期剥離とは、まだ赤ちゃんがお腹の中にいる間に胎盤が剥離してしまう疾患です。
胎盤が早くに剥離してしまうと、大出血が起こるため、激しい腹痛に加えて真っ赤な鮮血の出血が排出されます。常位胎盤早期剥離になると、母子、胎児ともに危険が及ぶため、激しい腹痛やお腹の張りがある場合はすぐに医療機関を受診しましょう。
前置胎盤
前置胎盤とは、通常では子宮底部と呼ばれる子宮の一番奥で作られるはずの胎盤が、子宮口付近に作られることにより、赤ちゃんが出口を塞いでしまっている状態のことです。
妊娠後期になると、赤ちゃんが成長するにつれて子宮頸部が伸び、胎盤の位置がずれて子宮壁から剥がれた部分から出血が起こることがあります。
前置胎盤の特徴として、大出血がありますが、下腹部の痛みは伴いません。前置胎盤は通常、後期の妊婦健診で発見され、厳重な管理がなされます。基本的には入院が必要で、早めに帝王切開が検討されます。
大量出血を生じて初めて前置胎盤に気づくということはまずありませんが、腹痛はないけれど大出血があるという場合は注意が必要です。

以上のように、臨月に大出血が起こる場合は何かしらの問題がある可能性が高いため、すぐに医療機関で診てもらう必要があります。
あまりに出血量が多いと正常な出産が困難になり、帝王切開が必要になるなど出産に伴うリスクが高くなってしまいます。
少しでも異常を感じた場合はすぐに医療機関に連絡しましょう。

色が薄くて水のようなおしるしが大量に出たときは?

一般的に、破水(卵膜が破れることにより羊水が出てくること)は陣痛開始後に子宮口が全開になってから起こるとされていますが、陣痛が起きる前や子宮口が全開になる前に起こることも珍しくありません。

ただし、あまり早くに破水してしまうとそこから細菌が侵入したり、赤ちゃんより先にへその緒が出てきてしまう恐れがあります。

破水の特徴には以下のようなものがあります。破水した後のシャワーや入浴は避けて、すぐに医療機関に連絡をしてください。

  • 無色、乳白色、ピンク色のいずれかで量が多い(一度でどっと排出される、または少量ずつ排出される)
  • 無臭、生臭い
  • 動いていなくても排出され、自力で止めることができない
  • さーっと流れるように液体が排出される

おしるしが少ない量のときは大丈夫?

おしるしの量には個人差があり、中にはおしるしがなく出産に至ったという人もいますので、少量しかでない場合でも基本的には問題ありません。
しかし、次のような変化が見られた場合は病院に相談し、指示があった場合はできるだけ早く病院を受診するようにしましょう。

  • おしるしに真っ赤な鮮血が混じるようになった
  • 痛みを伴うお腹の張りが続いている
  • 極端に胎動が減った
  • 発熱がある
  • おりものが黄色や緑色になるなど色調に変化があり、悪臭がある

おわりに:大量出血する場合は、あまりに量が多いときはすぐに病院へ

おしるしの量は、少ない場合ではトイレットペーパーや下着に付着する程度の量で、多い場合でも月経ほどの量で大出血することはないとされています。
そのため、大量に出血した場合は大量出血を伴う疾患である、常位胎盤早期剥離や前置胎盤などの疑いがあるため注意が必要です。最悪の場合は、母子ともに死に至る危険があるため、少しでも異常を感じた場合はすぐに医療機関に連絡しましょう。

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