ヘノッホ・シェーンライン紫斑病(IgA血管炎)ってどんな病気?

2018/8/20

山本 康博 先生

記事監修医師

東京大学医学部卒 呼吸器内科医

山本 康博 先生

三上 貴浩 先生

記事監修医師

東京大学医学部卒 医学博士

三上 貴浩 先生

「ヘノッホ・シェーンライン紫斑病」という病名を耳にしたことはありますか。小児に多いとされ、身体のさまざまな血管に炎症を起こす病気の一つです。
今回は、ヘノッホ・シェーンライン紫斑病の症状や治療法などをご紹介します。

ヘノッホ・シェーンライン紫斑病ってどんな病気?

ヘノッホ・シェーンライン紫斑病は、皮膚の血管に紫~鮮紅色の斑点「紫斑」が現れ、腹痛、関節痛、腎炎などがみられることがある疾患です。また腎臓や腸の血管に炎症を引き起こす場合もあります。

原因ははっきりしていませんが、IgAという免疫機能に関わる抗体が関係しているといわれ、2012年に国際学会で「IgA血管炎」と名称が変更されました。

多くは10歳以下の小児が発症し、発症年齢のピークは4歳前後といわれていますが、大人でも発症することがあります。特に高齢者は再発しやすく、重症化しやすいことも特徴のひとつです。また黒人よりも、白人やアジア人に発症しやすいという報告もあります。なお、ヘノッホ・シェーンライン紫斑病を発症する前に、その約2/3が上気道感染を起こすともいわれています。

ヘノッホ・シェーンライン紫斑病の4つの症状って?

ヘノッホ・シェーンライン紫斑病の症状としては、主に以下のようなものが挙げられます。

皮膚の症状

初期症状にみられることが多く、膝から下や臀部にかけ、左右対称に紫斑が現れます。下腿伸側に好発します。外部から刺激を受けることにより、刺激に沿って線上に紫斑が現れるケブネル現象がみられる場合もあります。

腹部の症状

嘔吐、下痢、腹痛、血便などが現れ、一般的に腹部に激痛が走ることがあります。小腸が大腸に入って重なり合う腸重積がみられることもあります。腸重積を治療しないと、腸の組織が壊死する場合があります。

関節の症状

身体の中でも大きな関節部である膝関節、足関節などに腫脹や疼痛がみられることがあります。関節リウマチのように変形が残ることはないといわれています。

腎症

尿検査を行うことで尿蛋白や尿潜血を指摘される場合が多く、ネフローゼ症候群や急速進行性糸球体腎炎など、重症な腎炎に進行することもあります。皮膚や関節の症状と異なり、腎症状があるかは尿検査を通してわかるため、継続的に尿検査を行うことが望ましいといわれています。

ヘノッホ・シェーンライン紫斑病の治療法は?

自然に軽快することがあるため、対症療法や尿検査などを行い、経過観察をするのが一般的です。軽症であれば、安静にしていることや水分補給が大切です。皮膚の症状では血管強化薬など、関節の症状では非ステロイド系抗炎症薬、また腹部の症状では点滴や絶食などを行いますが、場合によってはステロイド剤を使用することもあります。腎症ではステロイド剤を中心にした治療を進めます。

おわりに:ヘノッホ・シェーンライン紫斑病は、さまざまな症状がみられる

ヘノッホ・シェーンライン紫斑病は自然に回復する場合もありますが、症状によって薬を服用したり、点滴を行う場合もあります。何歳でも発症する可能性があるため、症状がひどくなる前に病院やクリニックを受診しましょう。

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