記事監修医師
前田 裕斗 先生
2018/9/7 記事改定日: 2020/1/28
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記事監修医師
前田 裕斗 先生
不妊治療では、中用量ピルであるプラノバール®が使われることがありますが、この薬はどのような薬なのでしょうか。
この記事では、プラノバール®の効果や副作用について詳しく解説していきます。
プラバノール®は中用量ピルであり、プロゲステロンとエストロゲンの2種類の女性ホルモンを配合した薬です。
適応は
となり、もともとは月経のトラブル解消目的で使用されます。
排卵後の女性の身体はエストロゲンとプロゲステロンの濃度が高くなりますが、妊娠すると高い濃度が継続し、妊娠しなければ徐々に濃度は低くなって生理がやってきます。
プラバノール®はこのエストロゲンとプロゲステロンの濃度を高いまま維持することで排卵を止める作用があります。
プラノバール®は一般的に避妊のために用いる薬剤と思われがちですが、不妊治療で用いることもあります。
プラノバール®は服用すると一時的にエストロゲンとプロゲステロン値が高くなり、脳に黄体期であることの誤認識を引き起こします。
その間、排卵は起こらなくなるためプラノバール®を服用することで生理不順を改善することができます。
また、体外受精などでは採卵するのに適したタイミングを図るために使用されることもあります。
不妊治療中に誤って薬を飲み忘れたということも出てくるかもしれませんが、プラノバール®を1日内服し忘れたとしても大きな影響は出ないと考えられています。
薬の添付文書を見ても、効果が完全に身体からなくなるのは内服後24時間後となっています。
しかしながら、治療のためのスケジュールが調整できなくなるなど治療の過程に影響を及ぼす可能性があります。そのため、まずは主治医へ連絡して対処法を確認することが賢明でしょう。
プラバノール®には強い副作用はないとされていますが、まれに嘔気、嘔吐、食欲不振などの消化器系の副作用が出ることがあります。また、頭痛やむくみ、皮膚の掻痒感や発疹、体重増加の副作用が出ることも報告されています。
ただ、薬による体重増加は増えても1~2Kg ほどと考えられており、一般的には急激な体重増加は見られません。
ただ、避妊目的で内服する低用量ピルと同様、重篤な副作用としては血栓症・塞栓症の副作用が出ることもありますので、痛みを伴う片側の下腿浮腫、突然の頭痛や胸痛、強い腹痛などには注意しましょう。
中用量ピルであるプラバノールはプロゲステロンやエストロゲンの濃度を高めるという作用から不妊治療でも排卵のタイミングを知ったり、子宮内膜を厚くするという目的で使用されます。副作用も消化器症状があるもののさほど強くなく、不妊治療の治療として処方されることも多くなり、飲み忘れても影響は少ないと考えられます。
ただし、副作用が強く出ている場合や飲み忘れてしまった場合は、大事をとって早めに主治医へ相談しましょう。
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