痔の手術の流れと注意点について

2025/12/10

山本 康博 先生

記事監修医師

MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長
東京大学医学部卒 医学博士
日本呼吸器学会認定呼吸器専門医
日本内科学会認定総合内科専門医
人間ドック学会認定医
難病指定医
Member of American College of Physicians

山本 康博 先生

痔の手術には日帰り手術もあり、比較的身近な手術になってきました。しかし手術ではあるので、不安があるという人もいるのではないでしょうか。この記事では、痔の手術の流れと手術前・手術後の注意点について、わかりやすく解説していきます。

痔の手術が検討される条件

医師の判断により変わってきますが、一般的に以下の状態の場合に痔の手術が検討されます。

  • 肛門外に痔核が飛び出たまま元の状態に戻らない
  • 咳をした際に脱肛する(痔が飛び出る)など、生活に支障が出る
  • 出血量が多く貧血が起こる

日帰り手術について

一般的には、手術が大掛かりでない場合や医療機関から自宅までの距離が近い(約30分程度)の場合は、日帰り手術が認められることがあります。ただし、抗凝固剤(血液をサラサラにする薬剤)を服用している人で手術前に休薬している場合は、術後の出血量が多くなる可能性があるため、日帰りでの手術は適応されない可能性があります。医療機関により判断が変わってきますので、詳しくは担当医に確認してください。

痔の手術の流れについて

一般的に、痔の手術は短時間で終わることが多く、麻酔を使うため手術中に痛みを感じることはなく、後遺症が起こることもあまりないといわれています。手術では、まず血液・尿・血圧・X線画像・心電図などの検査を行います。結紮切除術(けっさつせつじょじゅつ)を例として挙げると、一般的には以下の流れで手術が進められます。

  1. 痔核を剥離するために、皮膚を切開する
  2. 糸を使用して痔核の根元の血管を縛る
  3. 痔核部のみ切除する

排便は当日中に済ませておけば問題ないとされていますが、病状・状態などにより浣腸を行うことがあります。切開部分は開放しておく場合と縫合する場合があり、切開の大きさなど、状態により対応が異なります。

手術後の注意点について

一般的に、痔の手術後は以下の点に注意が必要といわれています。

患部の清潔を保つ

肛門・患部を汚れた状態のままにしていると、傷の治癒を妨げる可能性があります。排便後に座浴を行う・洗浄後にきちんと乾燥した状態にするなどして、清潔を保つことを心がけましょう。排便後のケアについてわからないことや不安なことがある場合は、担当医に相談しましょう。

下痢・便秘の対策

便秘で硬い便が出るときは肛門の傷が裂ける可能性があり、下痢によって傷が刺激されると症状が悪化する可能性があります。食生活・運動習慣・生活習慣を整えて、適切に排便をコントロールすることを心がけましょう。

肛門に負担をかけない

お腹に強い力を入れる・自転車に乗る・長時間座りっぱなしの状態を続けるなどの行動は、肛門に負担がかかります。このような行動を避けるようにしましょう。

担当医の指示・指導を守る

手術後の経過は、手術後の管理に大きく左右されるといわれています。処方された薬は指示・指導を守って使用し、手術後の生活や市販薬の使用についての指示・指導があった場合も、きちんと守りましょう。

おわりに:手術前・手術後の指示を守ることが大切

痔の手術は日帰り手術になることもあり、後遺症のリスクも低いといわれています。慢性的な痔や重症化した痔で日常生活に支障が出ている場合は、医療機関に相談したうえで手術を検討してみてもいいでしょう。リスクは低いとされている手術ですが、手術前・手術後の注意点を守らないと、トラブルや後遺症が起こる可能性があります。主治医の指示をきちんと守るようにしてください。

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