記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2018/8/25 記事改定日: 2020/4/21
記事改定回数:1回
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
ハンマートゥとは、足指の関節がハンマーのように曲がってしまう病気です。
この記事では、ハンマートゥの原因や治療法、予防法を解説していきます。どの世代にも起こりうる足のトラブルなので、発症予防・悪化予防の参考にしてください。
足の指がZ字型に曲がり固まった状態のことを槌指(つちゆび)といい、基節骨が伸びてしまい、中節骨は硬く、ハンマーのように折れ曲がった状態のことをハンマートゥと呼びます。
ハンマートゥの原因は、足に合わない靴の使用や足の過回内(オーバープロネーション:かかとが大きく内側に傾き足首がくの字になること。着地から蹴り出しの動作が円滑にいかない状態)などの足の構造の不具合により、足の軸がうまく機能しないことの影響が大きいと考えられています。
例えば、靴のアーチが足の形に合っていないと歩行時に足指が地面をつかむようになるため、足裏の腱を過度に使用するようになり足指が曲がりやすくなります。また、靴のサイズが合わないことでできるうおのめや潰瘍で足の使い方に偏りができることも、ハンマートゥを引き起こす原因のひとつです。
そのほか、糖尿病、足の怪我、神経麻酔、遺伝、関節リウマチなどの病気やケガも足の使い方に偏りができるため、ハンマートゥのリスクを高める原因になります。
以下の人はハンマートゥになりやすいので注意しましょう。
ハンマートゥを発症すると、第2趾(足の人差し指)などの先端部分が折れ曲がったように変形していきます。早期段階の変形は目立ちにくいため発症に気づかない人もいますが、ヒールのある靴や幅の細い靴を履くと足の指の付け根に鈍い痛みが生じるようになります。
進行すると足の指の変形が目立つようになり、安静にしていても痛みが生じるようになることも少なくありません。また、変形によって出っ張った部分が靴と擦れることで皮膚潰瘍などを生じることもあります。
ハンマートゥの治療は保存療法を中心に行われ、重症化して日常生活に支障が出る状態になった場合は手術が検討されることもあります。
ハンマートゥの保存療法では、X線(レントゲン)検査で変形の状態を確認した後
などを検査したうえで、装具や固定具、専用の靴・パッド、テーピングなどで痛みを軽減する治療を行い、潰瘍などの皮膚症状がある場合は、それらの治療も同時に進めます。
また、運動療法として足のストレッチやエクササイズを指導されることもあります。
初期の状態で治療を開始できれば外科手術をせずに回復することが多いといわれています。
重度のハンマートゥは、腱切離、腱移行、骨切除、関節固定などの外科手術が必要になることがあります。これらは基本的には日帰りでの手術が可能ですが、手術後に足の指の拘縮や短縮が起こることがあります。また、手術後の回復のためにリハビリが必要です。
ハンマートゥの予防のために、以下のことに注意しましょう。
ハンマートゥ予防に役立つ簡単なエクササイズに、足の指のグーパーエクササイズがあります。
このストレッチは、指先を解放して関節をほぐすことが目的です。曲がっている関節をしっかりと伸ばしていきましょう。
足の指を開くことが難しい場合は、手を使って1本ずつ開いてもかまいません。入浴時や入浴後の足先が温まった状態のときにすることをおすすめします。
ハンマートゥの原因はさまざまですが、足に合わない靴の着用が原因で起こることが多いです。予防のためには、自分の足にあった靴を使うこと、ストレッチやエクササイズでまめに足の指を動かすことが大切になってくるので、症状がひどくなる前に対策をとりましょう。
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