心雑音に種類があるって本当?聞こえたら心臓の病気の可能性が高い?

2018/9/20

山本 康博 先生

記事監修医師

東京大学医学部卒 呼吸器内科医

山本 康博 先生

心臓の雑音「心雑音」が聞こえるといわれた場合、なんらかの心臓の病気が隠れている可能性が高いのでしょうか?心雑音の種類と併せて解説していきます。

心雑音ってどんなもの?

「心雑音」とは、心臓の拍動にともなう正常な心音の間に聞こえる、余計な雑音のことです。心雑音の原因はさまざまで、心臓病の場合もあれば心臓以外に原因がある場合もあります。また、原因が心臓病であっても放置していいものからすぐに治療が必要なものまでさまざまです。

心雑音の3つの種類とは?

心臓には血液を全身に送り出す「収縮期」と血液を心臓内にため込む「拡張期」があり、心雑音には大きく3つの種類があります。1つは、収縮期に発生する「収縮期雑音」、2つめは拡張期に発生する「拡張期雑音」です。これらの雑音のもととなっているのは、主に血液や心臓にある4つの部屋の間にある弁です。
そして3つめは心臓の外で発生する音で、心臓を包む心膜という薄い膜が原因で起こる「心膜性雑音」です。

収縮期雑音

収縮期雑音は、心臓の4つの弁いずれでも起こることがあり、その種類によって治療の必要性は変わっていきます。

肺動脈弁が音源の収縮期雑音
肺動脈弁を音源とする収縮期雑音には、無害なものがあります。たとえば思春期までの子供では胸の左上部で心雑音が聞こえることがありますが、特に心臓に異常があるわけではありません。また、運動や発熱、貧血に伴って心雑音が聞こえることもありますが、これは心臓の動きが活性化しているために起きる音です。ただ、貧血などの原因疾患の治療の必要はあります。
ただ、肺動脈弁由来の心雑音は、先天性の心疾患が原因で起こるものも多いので、診断は必要です。
大動脈弁が音源の収縮期雑音
高齢者に多いのが、大動脈弁由来の心雑音です。大動脈弁がしっかり開いている間は治療不要ですが、加齢などによってうまく開かなくなり心臓に負荷がかかった場合は手術が必要です。
僧帽弁が音源の収縮期雑音
僧帽弁由来の心雑音の原因として最も多いのは左心室から左心房に血液が逆流したことで起こる「僧帽弁逸脱症」です。逆流の程度が軽い場合は放置しても大丈夫なことがありますが、逆流量が多いと、手術が必要となることがあります。
三尖弁が音源の収縮期雑音
三尖弁由来の心雑音の原因としては、先天性心疾患、心不全、肺疾患、心房細動などが挙げられます。基本的には内科的治療でアプローチをしていきますが、改善しなければ手術が必要になります。

拡張期雑音

拡張期雑音は心臓弁のうち、主に大動脈弁と僧帽弁から発生します。いずれも加齢に伴う大動脈弁閉鎖不全症、僧帽弁狭窄症という弁膜症が原因です。特に心臓に負担がなければ放置可能ですが、負担が大きい場合は薬物治療や手術が必要になります。

心膜性雑音

心膜性雑音の主な原因は、心膜炎(心臓を包む膜、心膜に炎症が起きている状態)です。心膜炎の原因としては、ウイルスや細菌による炎症、薬剤やがん、急性心筋梗塞などがあり、心臓の手術後の患者さんに聞かれることの多い雑音です。基本的に有効な治療法はないため、心膜炎の進行の程度によっては手術が必要になります。

心雑音が聞こえたら、精密検査を受けたほうがいい?

心雑音があればすべてが心臓病というわけではありませんが、小児ではじめて心雑音といわれたときや以前より雑音が大きくなったとき、心拡大や心電図異常もあるとき、運動すると息切れしたり足がむくんでいるときなどは、受診して精密検査を受け、心電図、胸部X線(レントゲン)検査、心臓超音波検査(エコー)などで心臓の形や機能をみておきましょう。

基本的には無害なものが多いですが、雑音以外に何も症状がないときでもまれに「心室中隔欠損」「心房中隔欠損」「動脈管開存」「肺動脈弁狭窄」「僧帽弁閉鎖不全」などの病気が見つかることがあります。聴診だけでなく心臓超音波検査を行うことで、原因が先天性の心臓病によるものか、無害性心雑音なのかをはっきりと診断することができます。病院での検査を進められたときは、早目に受診するようにしましょう。

おわりに:心雑音は無害なものもあれば、病気のサインのこともある。まずは検査を

心雑音には3つの種類があり、原因はさまざまです。無害の場合が多いものの、まれに重い病気が見つかることもあります。検査を勧められたときには、早目に病院に受診してエコーなどで精密検査を受けるようにしましょう。

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