BCGを受けてないとどんなリスクがある?大人でも間に合う?

2018/9/5

山本 康博 先生

記事監修医師

東京大学医学部卒 呼吸器内科医

山本 康博 先生

結核の重症化を防ぐ「BCGワクチン」。子供の頃に接種を受けるのが原則ですが、もしも接種をしていない場合、どんなリスクがあるのでしょうか。また、大人になってからの接種でも効果はあるのでしょうか。

BCGを受けていないと、どんなリスクがあるの?

BCGは、結核の重症化を予防するためのワクチンです。結核は、結核菌が主に肺で増え、咳や痰、発熱などを引き起こす病気です。また、肺以外の臓器が感染してしまうこともあり、リンパや骨、脳など、体中に影響が出ます。

BCGワクチンの接種は、毒性の弱い牛型結核菌を入れることで、軽度の結核のような反応を起こして免疫をつけることが目的です。BCGワクチンを接種していないと、結核が重症化し、上記のような深刻な症状に見舞われる恐れがあります。

標準的な接種は生後5ヵ月から8ヵ月の間とされていますが、地域や時期によっても異なる場合がありますので、よく確認してから接種してください。その後10~15年程度は、結核の発症を約7割予防することができるとされています。

BCGは大人になってから受けても間に合う?

BCGワクチンの接種は、針をたくさん立てたスタンプを上腕に押し付けて行います。過去に受けたことがある場合、上腕に穴が並んだような注射跡が残っている人も多いでしょう。しかし、もしも乳幼児期にBCGを受けたことがなく、結核を予防したいとき、大人になってからでも予防接種を受けられるのでしょうか。

結論としては、青年や成人に BCG を打っても、肺結核の感染を予防する効果は認められていません。つまり、受けても意味はないと考えた方がよいでしょう。また、大人になってから接種した場合、針を刺した部位がケロイドになるリスクも高まり、跡がかなり目立ってしまう可能性もあります。BCG接種はあくまで、まだ免疫力が弱く結核にかかると重症化しやすい乳幼児のためのものなのです。

BCGを受けてない人が結核を予防するには

BCGを受けていない場合の対策は、基本的には自分の健康に気を配ること、そして感染症対策をしっかりと行うことです。まずは健康診断を定期的に受け、体の不調をいち早く発見できるようにしましょう。また、初期の結核は風邪と似たような症状がでるので、なかなかな治らない風邪、特に2週間以上咳が続くような場合は、面倒くさがらずにすぐに病院に行くようにしてください。

結核に限らず、私たちの暮らしはいつも感染症の危険と隣り合わせです。学校や会社、移動の途中など、いつ誰から感染するかわかりませんし、自分が誰かに感染させてしまう可能性もあります。咳がでたらマスクをすることはもちろん、近くに咳をしている人がいたらマスクをする、帰宅後すぐにうがいや手洗いをするなど、自分の身を守る意識も大切でしょう。

おわりに:BCGは乳幼児の結核を予防するためのもの

BCGワクチンの接種では、毒性の弱い牛型結核菌を入れることで、軽度の結核のような反応を起こして免疫をつけます。これは乳幼児が結核にかかって重症化するのを予防するのに有効な方法であり、大人が接種しても効果はほぼ得られません。もしも乳児期にBCGを受けていない場合は、定期的に健康診断を受けたり、マスクなどの感染症対策をしたりすることを心がけてください。

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