記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2018/9/5 記事改定日: 2020/5/20
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MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
BCGワクチンの予防接種は、感染症予防のために行われます。BCGは何歳までに受けるワクチンなのでしょうか。BCG注射の効果や効果持続期間、予防接種当日に準備しておきたい持ち物や服装などを紹介します。
BCGとは、結核を予防するワクチンの通称です。乳幼児期に接種することが多いワクチンですが、乳幼児期にBCGを接種することにより、結核の発症を52~74%程度、重篤な髄膜炎や全身性の結核に関しては64~78%程度予防することができると考えられています。
さらに一度BCGワクチンを接種すれば、その効果は10~15年程度続くと考えられており、日本では長年にわたって使用されているワクチンです。
個別接種とは、BCGを受ける対象月齢の期間中に各自で医療機関を受診してBCGの接種を受ける方法です。
多くは肺炎球菌やロタウイルスなどの予防接種を行ったかかりつけの小児科などで接種することになるため、各自で好きな医療機関を選ぶことができます。また、接種する日程なども各自で予定を立てることもできるため、両親とも職場復帰をしているご家庭も都合が合わせやすいといったメリットがあります。
一方、個別接種は自治体などから接種予定などの連絡がないため、接種するのを忘れてしまうことがあるというデメリットがあります。
集団接種とは、自治体で行う集団健診などの機会を活用して対象年齢の児を集めて一斉に接種を行う方法です。
事前に自治体から接種日の通知が来るため、打ち忘れが起こりにくいのがメリットと言えます。
一方で、接種する日程を各自で決めることができないため、予定が立てづらいといったデメリットもあります。また、指定された日に発熱したなど急な体調不良にも対応しにくいこともデメリットといえるでしょう。
BCGの予防接種を受ける接種年齢は、これまで変更がされてきました。
平成17年までは4歳未満の子供のうち、ツベルクリン反応が陰性の子供にのみ接種されていました。しかし、平成17年の4月以降では、生後6か月までのすべての子供にBCGを接種するように変更されました。
なぜ接種年齢が変更されたかというと、今まで行われていたツベルクリン反応検査を用いた健診で発見された結核患者は非常に少なく、0~3歳の乳幼児の約120万人のうち13人程度しか発見されていませんでした。
また、結核に感染していないのに陽性反応が出てしまうこともありました。結果的にBCGを接種する必要があるのに受けられないケースも多々見られていたことが、接種年齢変更の理由とされています。
なお、地理的な条件などでやむを得ない場合は1歳未満での接種も可とされています。
やむを得ない事情や特別な事情によって、1歳までに予防接種を受けることができなかったと認められた場合に限り、4歳になるまでは定期接種の対象となります。
特別な事情については厚生労働省により次のように定められています。
4歳に至るまでであり、その特別な事情がなくなった日から2年を経過するまでであれば定期接種の対象となります。
また、これらの疾病に準ずると認められる疾病に罹患した場合も、特別な事情として認められます。他にも臓器の移植を受けた後、免疫の機能を抑制する治療を受けたことや、これに準ずる治療をしていた場合も特別な事情の対象になります。
BCGの予防接種を受けに行く際は、服装や持ち物を準備することをおすすめします。
診察や注射がしやすいように、着脱が楽な服装で受けに行きましょう。
母子手帳、健康保険証、診察券、医療証、予防接種の予診票などです。
他にも子供が大泣きして衣服をよだれで汚したりしないよう、よだれかけやガーゼタオル、ハンカチなども準備すると便利です。
またBCG接種後は、子供の腕に薬が付いたまま乾くまで待合室で待つ場合がほとんどです。待っている間に保護者の方の髪の毛に薬がついてしまわないように、髪の長い方は髪をひとくくりに縛っておけるゴムなどを準備しておきましょう。
BCG予防接種を受ける期間は、基本的に生後6ヶ月までと定められています。ただし、やむをえない事情があって接種が受けられなかったときは、定期接種の対象となることがあります。より詳しく知りたい場合はお住まいの自治体に確認し、接種しそびれないようにしましょう。
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