記事監修医師
東京大学医学部卒 医学博士
慢性腎臓病で言われるステージとはどのようなものなのでしょうか?ステージによって治療法や食事の内容が変わることはあるのでしょうか?慢性腎臓病のステージについて解説していきます。
原因となった疾患(原疾患)を問わず、以下のいずれかの症状が見られる場合、または両方の症状が3ヶ月以上持続する場合、慢性腎臓病(CKD)と診断されます。
慢性腎臓病(CKD)の診療計画を立てる際には、腎臓の機能を5段階のステージ(病期)に分類します。このステージ分類では、GFR(糸球体ろ過量)が重要な指標となるのですが、GFRが低値の場合は、糸球体が老廃物を尿中に排出する力が弱いことを示しており、腎臓の機能が低下していることを表しています。
GFRは血清クレアチニン(Cr)値と、年齢、性別から推算可能で、このようにして推算されたGFRのことを推算GFR(eGFR)といいます。
腎臓機能が正常もしくは高値の状態で、蛋白尿が2+以上の場合や、血尿と蛋白尿が両方共陽性とされる場合は、専門医への受診が推奨されます。また、蛋白尿などの腎障害が見られない場合でも、年に1度CKDのスクリーニング検査(検尿と採血)を受けることで早期発見に繋がります。
CKDの進行を促す原因となる疾患(高血圧症、糖尿病など)がある場合は、きちんと治療することが大切です。
腎臓機能が正常もしくは軽度の低下が見られる状態で、ステージ1の場合と同様に蛋白尿が2+以上の場合や、血尿と蛋白尿が両方共陽性とされる場合は、専門医への受診が必要になります。また蛋白尿などの腎障害が見られない場合でも、年に1度CKDのスクリーニング検査(検尿と採血)を受けて、腎臓の状態を確認しましょう。
腎臓機能が軽度~中程度に低下している状態です。
以下のような症状のいずれかに該当する場合は、専門医を受診しましょう。
また、CKDの進行を促す原因となる疾患(高血圧症、糖尿病など)がある場合は、きちんと治療することが大切です。
腎臓機能の低下に伴い、貧血、ミネラル異常、骨の異常などの様々な症状の合併が起こる可能性が高くなります。専門医を受診し、透析療法や腎臓移植などの治療方法について相談する必要があります。
末期腎不全とされる状態で、腎臓機能低下に伴い貧血、ミネラル異常、骨の異常などの様々な症状の合併が起こります。専門医で透析療法や腎臓移植について相談し、治療法の選択を行いましょう。
慢性腎臓病(CKD)の診療計画を立てる際には、腎臓の機能を5段階のステージ(病期)に分類され、ステージ分類の指標となるGFRが低値の場合は、腎臓の機能が低下していることを表しています。自身のステージに合った治療や食事療法を受けましょう。
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