記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2018/9/27
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
IgA腎症とはどんな病気なのでしょうか?また、治療後は予後はどのようなものでしょうか?IgA腎症の治療法や予後について解説していきます。
IgA腎症とは、日本人では最も多く見られるとされる慢性糸球体腎炎で(慢性糸球体腎炎のうち、30%以上を占めるとされます)、腎生検を行った際には以下のような特徴が認められます。
原因は未だはっきりとは解明されていませんが、体内になんらかの抗原が侵入した際に(特にのどや腸)IgAが抗体として作られることにより、メサンギウム領域に免疫複合体が沈着することで発症に至ると考えられています。
ただし、原因となる抗原は明確に解明されていません。また、扁桃を中心とした慢性感染と関連があるとも考えられています。
IgA腎症の症状は人により異なりますが、再発性・持続性血尿、慢性腎炎症候群などがみられることが多いとされています。
健診や他の病気の検査を行った際に検尿で蛋白尿や血尿が見つかったり、感染に伴い出現した肉眼的血尿により病気が発覚することが多いですが、他の症状がきっかけで発覚する場合もあります。
IgA腎症の治療方法は腎機能や蛋白尿の程度により異なるため、透析導入リスクの層別化に基づき分類された4つの各リスク群をもとに治療法が選択され、生活指導、食事療法、薬物療法などが行われます。
IgA腎症の予後は診断時の腎機能や症状の程度により異なります。以前は、IgA腎症の予後は良好といわれていましたが、腎生検の普及に伴い必ずしも予後が良好とは限らないことが判明したのです。
成人発症のIgA腎症の場合、透析や移植が必要となる末期不全になる確率は、10年間で15~20%、20年間で薬40%弱だといわれています。
小児の場合は、成人で発症した場合と比較すると予後は良好とされており、降圧剤(特にRA系阻害薬)や副腎皮質ステロイド薬を用いることにより予後が改善したケースもあるとされています。
腎生検を行ったその時には、活動性が低いと診断された場合でも、数年後には非常に活動性が強い病変に変化する可能性もあるため、定期的に検尿、血液検査、腎生検を行い活動性に注意する必要があります。
IgA腎症とは、日本人では最も多く見られる慢性糸球体腎炎ですが、原因は未だはっきりとは解明されていません。IgA腎症の治療方法は腎機能や蛋白尿の程度により異なるため、病態に応じた治療を行います。また、IgA腎症の予後は診断時の腎機能や症状の程度によって変わるため、早期発見・治療が重要となります。
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