IgA腎症の症状ってどんなふうにあらわれる?進行するとどうなる?

2018/9/19

山本 康博 先生

記事監修医師

東京大学医学部卒 呼吸器内科医

山本 康博 先生

腎臓病の一種「IgA腎症」とはどんな病気でしょうか。現れる症状や放置した場合のリスク、治療法など、全般的な情報をお伝えしていきます。

IgA腎症になると、どんな症状が出てくるの?

IgA腎症のIgAとは、外敵から喉・気管支・腸などの粘膜を守っている抗体です。IgAという言葉は、免疫グロブリンAの略称になります。これがなぜ腎臓と結びつくかというと、この抗体が弱いと、感染した病原体の一部とIgAが免疫複合体となって血液に入り、やがて腎臓に流れ着くからなのです。そして、この免疫複合体が腎臓の糸球体にひっかかって蓄積し、炎症を起こして組織を壊すのです。病原体が入った免疫複合体が組織を壊すスピードはゆっくりで、2~3ヵ月かかるため、初期の頃はあまり自覚症状がありません

IgA腎症を発症する人が多い年代は20代前半だといわれていますが、それ以外の年齢でも発症します。そして、この病気の原因はいまだに解明されていません。IgAの産生系の問題、骨髄の問題、IgAそのものの問題など、原因となりうるものが多岐にわたっています。しかし、腎臓そのものではなく、それ以外のところが原因になっているという見方が主流です。

IgA腎症の症状が進むとどうなる?

IgA腎症が組織を破壊するスピードはさほど早くないため、初期の状態ではほとんど無自覚です。そのため、学校や健康診断で行われる尿検査で潜血やタンパクが陽性となり、判明するというパターンが多いでしょう。潜血というと自分でも気づけそうな気がしますが、含まれている血の量が少ないと、普段の黄色っぽい色と見分けがつきません。

しかし、病気が進行していると、明らかに血尿だとわかる色の尿がでたり、むくみや高血圧の症状があらわれたりします。これを放置し続けてしまうと、やがては腎不全に陥ったり、人工透析が必要になったりすることもあるのです。

IgA腎症は、治療を早く始められれば始められるほど、腎臓機能への影響が少なくなります。そのため、尿検査で異常が出たら、放置しないようにしましょう。

なお、女性、生理の前後で尿検査をしたことで、潜血反応が出ることがあります。再検査になった場合は、排卵日前後など、経血の影響がない日に受けてください。

どうすればIgA腎症を治せる?

原因も特定できていないことから、IgA腎症の根本的な治療法は確立されていません。しかし最近では、代表的な治療法として扁桃パルス治療というものが用いられています。これは、手術による扁桃腺の摘出と、ステロイド治療を組み合わせたものです。治療に良い成績を上げていますが、扁桃腺の摘出をすることが必ずしも効果的と言い切れないところがあるため、医師とよく相談する必要があります。

ほかには薬物治療として、高血圧をコントロールする薬、免疫抑制剤、抗血小板薬などを、状態を見ながら用います。また、禁煙や肥満の解消などの生活習慣の見直し、タンパク質や脂質、塩分の制限などによる食事療法なども大切でしょう。

いずれの治療法を用いるにしろ、できるだけ早く治療に取り組み、腎臓の機能をなるべく低下させないことが重要です。

おわりに:IgA腎症を放置すると、やがては腎不全につながることも

IgA腎症は、IgAと呼ばれる抗体と病原体の一部が結びつき、免疫複合体となって腎臓で炎症を起こす病気です。炎症によって組織が破壊されるので、ひどくなると腎臓としての機能を失うことにもなりかねません。扁桃腺パルス治療や薬、生活習慣の改善等によって、一刻も早く症状を落ち着かせましょう。

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