記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2018/9/7
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
慢性腎不全を発症する原因にはどのようなものがあるのでしょうか?また、どのような治療を行うのでしょうか?慢性腎不全の原因や治療方法について解説していきます。
腎不全とは、腎臓病が進行して腎臓機能が低下している状態のことで、急性腎不全(急激に腎臓機能低下が起こる)と慢性腎不全(数ヶ月~数十年の年月をかけて腎臓機能の低下が進行する)に分けられます。
急性腎不全の場合は、腎臓機能の低下を引き起こしている原因を治療することにより、腎臓機能の回復が期待できますが、治療の際には入院が必要となります。
慢性腎不全の場合は、腎不全の進行により失われた腎臓の機能が回復する可能性は、非常に低いとされています。
慢性腎不全は、主に以下の病気が原因となって発症します。
糖尿病が原因となり発症する腎臓合併症です。
糖尿病になるとまず、血管内の血糖の上昇に伴い、輸入細動脈という腎臓に血液を運搬する血管と輸出動脈という腎臓から血液を運び出す血管が拡張されます。
それにより腎臓に出入りする血液量は増加するのですが、輸出動脈と比べて輸入細動脈の方がより拡張されるため、腎臓内に流入する血液量が多くなり腎臓内の血圧上昇が起こります。このような過程により、腎臓の細胞が障害を受けて腎機能の悪化が引き起こされます。
慢性糸球体腎炎とは、腎臓内の血液をろ過する働きのある糸球体に炎症が起こることにより、1年以上蛋白尿や血尿が持続する病気の総称です。
発症の原因は解明されていないものもありますが、免疫学的機序が関係していると考えられています。通常の免疫機能は体により作られた抗体が病原体に付着することにより、病原体を攻撃しているのですが、糸球体腎炎の場合は、抗体が糸球体を攻撃するようになってしまいます。
高血圧が原因となり腎臓の血管に動脈硬化が起こると、腎臓の血管が硬くなると同時に狭くなり、腎臓への血流が滞ります(腎硬化症)。血流が減少すると尿が産生されなくなるため、腎不全となります。
慢性腎不全で尿毒症状があるものの、透析を受ける必要はないと診断された状態を、腎不全保存期といいます。この腎不全保存期では、以下のように治療が進められます。
腎不全保存期の治療を受けている間に腎機能の低下が進行した状態を、末期腎不全といいます。末期腎不全の治療では、悪化している尿毒症を改善するために、体内に貯留している老廃物を除去する腎代替療法を行う必要があります。
透析以外の治療方法として、腎臓移植を行う場合もあります。
腎臓移植には、献腎移植と呼ばれる脳死・心停止した腎臓の提供を受けるものと、生体腎移植と呼ばれる親族から提供されるものがあります。
慢性腎不全の原因疾患として、糖尿病性腎症、慢性糸球体腎炎、腎硬化症などが挙げられます。慢性腎不全の治療は、保存期と透析期に分けられ、症状の程度に応じて行われます。また、末期腎不全の治療では、体内に貯留している老廃物を除去する腎代替療法を行う必要があります。慢性腎不全の場合は、腎不全の進行により失われた腎臓の機能が回復する可能性が非常に低いため、早期発見・治療が必要となります。
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