記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2018/9/19
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
大腸がんの手術はどのような場合に受けるべきなのでしょうか?また、合併症が起こることはあるのでしょうか?大腸がんの手術や合併症について解説していきます。
大腸がんの手術としては、大腸カメラを使用して行う内視鏡治療、外科治療である開腹手術や腹腔鏡手術などがあります。
内視鏡手術の対象となる原則的な条件として、リンパ節転移が見られない、粘膜内・粘膜下層にある軽度浸潤がん腫瘍が20mm未満、腫瘍の大きさが一度の手術で全て切除可能、などが挙げられ、条件に該当する場合は内視鏡手術を行うことができます。
外科的手術は、内視鏡的治療が難しいと判断された腫瘍がある場合に行われます。がんが見られる範囲の腸を約30cmほど切除したり、その周囲にあるリンパ節の切除を行い、腸をつなげる治療法です。
腹部を切開して、直視下で治療を行う方法となります。
お腹の中に二酸化炭素を充満させて作業空間を作った後、その場所にカメラのついた細長いスコープを入れて、テレビモニターで内部の状態を見ながら手術が行えるようにする方法です。
術後に合併症が起こった場合には、それぞれの病態に合った治療法を行う必要があります。大腸がんの術後に起こり得る具体的な合併症として、以下のようなものが挙げられます。
吻合部(ふごうぶ)と呼ばれる腸管のつなぎ目から便が漏れ出すことにより、腹膜炎が起こり、発熱や腹痛などの症状が現れます。
直腸がんなどの肛門付近でつなぐ手術を行う場合は、縫他の部分で行う場合と比較すると縫合不全が起こりやすいとされています。
手術を行った際におなかにできた傷(創)の縫合部分が、細菌などに感染すると、赤く腫れる、膿が出る、痛む、発熱するなどの症状が起こります。
腸の働きが悪い、癒着などにより狭くなっている部分があると、便やガスの排出がうまく行えなくなるため、腹痛、吐き気、嘔吐などの症状が起こります。
手術の内容により排尿をコントロールする働きのある自律神経が損傷を受けた場合は、尿意を感じない、排尿後にスッキリしない、尿が排出できない、などの症状が起こることがあります。
癒着や腸を切除すると手術後に、排便が不規則になる、便秘、下痢、ガスが出にくい、などの症状が起こり、お腹が張りやすくなることがあります。
また、直腸がんの手術を行った後は、1日に何度も頻繁に便意を感じるようになることがあります。
直腸がんの手術後は、骨盤内の性機能に関する神経が影響を受けることにより、男性の場合は勃起不全や射精障害などの性機能障害が起こることがあります。
女性の場合は感覚が弱まることがありますが、大きな障害にはならないとされています。
以下の条件に該当する場合は、抗がん剤を使用して腫瘍の増大を送らせることで、延命や症状をコントロールする必要があります。
また、抗がん剤治療を受けることで、がん切除が可能になることもあります。
基本的には、最初に行う治療(一次治療)を行っても十分な効果が得られなかった場合は、使用する薬剤を抗がん剤治療に変更して、抗がん剤治療を続けていきます。また、再発した場合も手術による切除が不可能なことが多いため、抗がん剤による治療を行います。
その他、肝臓のみに転移が見られる場合には、肝動注療法と呼ばれる肝臓の動脈に抗がん剤を直接投与する方法が行われることもあります。医師に相談して、自分の病態に合う適切な治療法を受けましょう。
大腸がんの手術では主に、大腸カメラを使用して行う内視鏡治療や、外科治療を行い、必要に応じて開腹手術や腹腔鏡手術を行うこともあります。ただ、創感染や腸閉塞などの術後合併症のリスクも伴うので、手術前には必ず医師からよく話を聞いておきましょう。
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