記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2018/9/13
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
いぼ痔はデリケートな部分の悩みです。女性にとっては相談しにくいので、誰にも言えず悩んでいる人もいるのではないでしょうか。
この記事では、女性がなぜいぼ痔になってしまうのか、治すにはどうすればいいのかを解説していきます。
痔のなりやすさには、実は男女差はありません。ただし、女性が痔になるときには、女性ならではの要因があります。
ひとつめの大きな要因として便秘があります。女性は、筋肉量の違いやホルモンの影響などから、男性よりも便秘になりやすいといわれています。黄体ホルモンが多くなる生理前の時期は、水分を身体に溜め込もうとするため便が硬くなりがちです。また、極端なダイエットで体に必要な栄養が得られない状態では、排便リズムも崩れやすくなります。便秘をすると便が硬くなり、トイレに長く腰掛けたり、いきんだりすることも多くなります。
ふたつめとして、妊娠や出産も痔の要因になります。妊娠して赤ちゃんがだんだんと成長すると、子宮が腸を圧迫して血の巡りが悪くなったり、便秘になったりします。出産時に強くいきむことも肛門に負担をかけるでしょう。
さいごに、冷え症も女性に多くみられます。冷えによって血流が悪くなることも痔のリスクを高めます。現代は冬の寒さだけではなく、夏の冷房にも注意が必要です。
すでに痛みや出血がみられている状態であれば、早めに医療機関を受診したほうが良いでしょう。痔は早い段階であれば、内服薬や坐剤、塗り薬などの薬物療法や、食生活の改善、排便リズムの改善などによって、症状が良くなる可能性が高くなります。一方で、症状が重くなってからでは、入院や手術が必要になることもあります。
しかし、 痔の症状は、ちょっと違和感を感じてもなかなか受診をする勇気が出ないものです。明らかに違和感を感じても、市販の坐剤や塗り薬を使って、症状をごまかしているという人もいるでしょう。
近年は、女性専門の肛門外科や、婦人科や美容外科などを併せもった女性の悩み全般を扱うレディースクリニックが開設されています。通える距離にないかどうか探してみても良いのではないでしょうか。
いぼ痔を予防するためには、日頃から基本的な生活習慣を整え、排便リズムを整えておくことが大切です。
バランスの良い食事を規則正しく食べましょう。特に朝はギリギリまで寝ていたいものですが、少し早めに起きて、水分や食事をとることで排便につながります。また、便意が起こったときは、できるだけ我慢しないようにしましょう。逆に、便意がないのに、無理に排便しようといきむことはいぼ痔の悪化につながります。排便リズムを整えるということは、毎日同じ時間にトイレに入るというルールを決めることではありません。
体の冷えは便秘を起こしたり、血流の低下にもつながります。毎日の入浴をシャワーのみで済ませるという人もいるでしょう。しかし、シャワーだけでは体が十分に温まりません。できれば、湯船に浸かるようにしましょう。また、仕事などで座りっぱなしの生活をしている人は、小まめに立ち上がったり、軽くストレッチをしたりしましょう。
肛門周囲は清潔に保つことが大切です。しかし、石鹸でゴシゴシ洗ったり、紙で強く拭き取ることは刺激が強すぎてしまいます。シャワートイレを使ったり、優しく拭くようにしましょう。ただし、シャワートイレも強い水圧や、長時間の使用は禁物です。
いぼ痔は女性にも起こりやすい症状です。女性は、痔の原因である冷え性や便秘になりやすいほか、極端なダイエットも痔に影響するといわれます。また、妊娠によって体が変化したり、出産でいきんだりすることも症状の悪化につながります。痔は生活習慣が関わっていることも大きいため、日頃から生活習慣や排便習慣について整えていくことが、痔の予防につながるでしょう。また、すでに症状があるときは、受診をしやすい女性医師のクリニックを探してみてはどうでしょうか。
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