記事監修医師
前田 裕斗 先生
2018/9/21
記事監修医師
前田 裕斗 先生
女性で、微熱と一緒に倦怠感や胃のむかつき、異様な眠気といった症状が続いているなら、それは風邪ではなく妊娠の初期症状かもしれません。
今回は妊娠初期症状としての微熱について、その特徴や普通の風邪との違い、そして発熱のメカニズムや適切な対処法まで解説していきます。
妊娠するとホルモンバランスが変化して基礎体温が高い状態が続くため、妊娠超初期の症状として、微熱や熱っぽさを感じる女性は少なくありません。
妊娠超初期の微熱の特徴としては、熱っぽさに加えて以下のような心身症状が、複合的に起こるという点が挙げられます。
また、発熱が37~37.5度くらいまでであること、症状の持続期間が1~2週間程度であることも妊娠初期症状としての微熱の特徴です。
妊娠による微熱はホルモンバランスや自律神経の変化から、そして風邪による発熱は、ウイルス感染に対する防衛反応によって起こる症状です。
このように、妊娠と風邪による微熱はそれぞれ原因が異なるため、微熱以外の自覚症状の違いからある程度見分けることができます。
特に、微熱とあわせて咳やのどの痛み、鼻水や鼻づまりなどがある場合は、ウイルスによる風邪の症状である可能性が高いでしょう。
ただし、妊娠初期に微熱と一緒にのどの違和感や鼻炎症状の悪化など、風邪様の症状が出るケースも報告されています。
妊娠初期症状は個人差も大きいので、あくまで見分け方の目安として考えておきましょう。
妊娠が疑われるような初期症状とともに微熱が続いているときは、まずは安静にして身体を休めるようにしてください。
数日間療養しても体温が下がらない場合は、病院を受診して医師の判断を仰ぎましょう。
また妊娠の可能性が少しでもある場合、医師の許可なしに市販薬を飲まないようにしてください。
市販薬のなかには、妊娠中の服用が危険とされる「禁忌薬」が含まれることがあります。
妊娠している可能性が少しでもある状況で微熱が1~2週間続いているなら、薬を飲む前に病院を受診するか、妊娠検査薬を使ってみることをおすすめします。
ここでは、妊娠初期の症状として微熱が出るメカニズムについて理解していきましょう。
女性の体温は生理周期に応じて、大きく低温期と高温期の2期にわたって変化します。
通常、前回の生理から次の排卵までの期間は低温期、排卵が起こってから次の生理が来るまでの2週間は高温期となり、生理がくることで体温が下がります。
しかし妊娠すると、妊娠を維持するためのヒト絨毛性ゴナドトロピン(hCG)というホルモンが分泌され、妊娠黄体という細胞を刺激します。
すると、エストロゲンやプロゲステロンといった女性ホルモンが作られ、生理が来ず高温期の状態が続くために、胎盤ができあがるまでの妊娠初期に微熱を感じます。
妊娠による微熱は、赤ちゃんを育てる環境を作るために必要な作用なのです。
受精卵が分泌するhGCホルモンの働きで高温期が続くため、妊娠の初期症状として微熱を感じる女性は多いです。普通の風邪と症状が似ている場合もありますが、妊娠性の微熱では胃のむかつきや生理前のような症状、情緒にも影響が出やすいのが特徴です。もし妊娠性の微熱の場合、自己判断で市販薬を飲むのは危険です。少しでも妊娠の可能性があるなかで微熱が出たなら、まずは病院へ行くか、妊娠検査薬を使って確かめてみましょう。
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