記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2018/9/19 記事改定日: 2019/7/11
記事改定回数:1回
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
はしかの予防接種をしてから実際に免疫がつくまでには、どれくらいの時間がかかるのでしょうか。また、予防接種によって何か副反応が出ることはあるのでしょうか。
はしかのワクチンは打てばすぐに免疫がつくものではありません。はしかの免疫はワクチン接種後、約2週間で出現するとされています。
もしもはしかの感染者と接触してしまい、早急に免疫を獲得したいという場合には、はしかの感染者と接触後72時間以内に予防接種を受けることで発症を防ぐことが可能とされていますが、100%効果があるというわけではありません。
【 厚生労働省ホームページを編集して作成 】
はしかの予防接種は通常2回接種することを勧められています。これは、予防接種を1回接種したときよりも、2回接種したときの方が高い確率で免疫を獲得できるとされているためです。
また、接種後年数が経過していくと、一度免疫を獲得できていても免疫が低下してしまうことがあります。免疫が低下してきた人に対しては、2回目ワクチンを接種することで免疫を増強させる効果があります。さらに、過去にワクチン接種を1度しか打っていない人に対しては、もう一度打つことでより確実に免疫を獲得できるようにすることが重要になります。
はしかは、現在行われている2回接種を行えば95%以上で免疫を得ることができるとされており、その効果は一生続くものと考えられています。
しかし、昭和47年~平成2年生まれの人は1回接種しか行われていなかった世代であり、該当する人は予防接種を受けたとしても十分な免疫が得られていない可能性があります。
はしかの免疫をもっているかどうかは、血液検査で抗体価を測定することで調べることができますので、不安がある場合や妊娠を予定している人は検査を受けるようにしましょう。
はしかの予防接種の副反応で最も多いものが発熱です。全体の約5.4%に37.5℃以上38.5℃未満の発熱が見られ、約8.1%に38.5℃以上の発熱が見られます。他にも5.9%に麻疹様の発疹が見られ、これははしかワクチンが麻疹のウイルスを弱毒化して作る生ワクチンであるためとされています。
他にも接種部位の局所反応やじんましん、約3000人に1人の割合で熱性けいれんも見られますが、いずれも一過性です。他にもかなり稀ではあるものの、脳炎脳症や急性血小板減少性紫斑病も副反応としてあります。
はしかの予防接種ははしかのワクチンを弱毒化していると点からみると、はしかにかかった方が強い免疫力が獲得できるのではと考える人もいるかもしれません。
しかし、はしかが重症化すると亜急性硬化性全脳炎という深刻な後遺症を引き起こす恐れがあります。
ワクチンは感染症による後遺症や死亡、感染拡大を防ぐために作られたものです。
はしかにかかるよりも予防接種を行い、未然に感染を防ぎましょう。
【 国立感染研究所ホームページを編集して作成 】
はしかの予防接種は打てばすぐに免疫がつくということではなく、免疫がつくまでには接種後2週間ほどかかります。また、発熱や発疹、蕁麻疹や熱性けいれんといった副反応が出ることがあります。
しかし、これらの副反応はどれも一過性で発症する確率は低く、むしろワクチンを接種せずに自然感染すると後遺症を患ったり死亡したり、感染を拡大させてしまう恐れがあります。自分にも他人のためにも、事前に2回のワクチン接種を必ず行ってください。
この記事の続きはこちら