温活は夏バテ解消に本当に効くの?食事以外にできる対策はある?

2018/9/23 記事改定日: 2019/5/29
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山本 康博 先生

記事監修医師

東京大学医学部卒 呼吸器内科医

山本 康博 先生

温活は、身体の基礎体温を上げることで健康的・美容的なメリットを得ようという健康療法の一種ですが、冷え性の他に夏バテにも効果的といわれています。
今回は夏バテへの温活の効果について、夏バテそのものや温活による改善効果のメカニズムとあわせて、解説していきます。

夏バテになると、どんな症状が出てくるの?

高温多湿となる6~8月の夏季に、身体が適応できずに体調不良に陥ることを一般的に「夏バテ」や「暑気あたり」「夏負け」などと呼びます。
夏バテによる代表的な症状としては、以下のようなものが挙げられます。

  • 全身の倦怠感と疲労感
  • 胃もたれや食欲不振など、胃腸の不調
  • 寝つきが悪い、よく眠れないなどの睡眠障害

いずれも動けなくなるほどの不調ではないものの、長く続けば睡眠不足や免疫力低下を引き起こし、他の疾病にかかりやすい健康状態になりかねません。

夏バテになるのはどうして?

夏バテの原因として考え得る代表的なものには、以下の4つがあります。

  • 夏の暑さそのもの、または室内と室外の気温差による自律神経の疲労や乱れ
  • 高温多湿によって起こる発汗異常の影響で、体温調整が難しくなる
  • 熱帯夜が続くことによる、睡眠不足や睡眠の質の低下
  • エアコンの冷気や冷たい飲食物による、身体と内臓の冷え

人間の身体は、自律神経によって心拍・血圧・情緒などが安定した状態に保たれるよう、無意識のうちにコントロールされています。

高温多湿が続いたり、室内と室外の極端な気温差が生じるたびに体調や体温を調整していると、本人に自覚がないままどんどん自律神経が疲弊していってしまうのです。
その結果、夏季に一種の自律神経失調状態に陥り、夏バテとして倦怠感や疲労感、食欲不振などの症状が現れるようになるといわれています。

夏バテの解消に温活は役に立つの?

夏バテの原因の一部が「自律神経の乱れ」や「身体や内臓の冷え」であることから、夏バテ対策の1つとして温活も効果的だと考えられています。

特に冷たい飲み物やアイスクリーム、そうめんなどを摂りがちな夏の時期こそ、内臓や身体を冷やさないように食事面から温活をしていくのが効果的です。
夏バテ解消のための温活では、以下のポイントを意識した食生活を心がけましょう。

  • 飲み物は、極力常温かホットのものを選ぶ
  • きゅうりやトマトなど、夏野菜をたくさん食べるときは火を通してから
  • 冷たい飲み物を摂るときは、1品以上温かい料理を食べること
  • 汗で失われがちな塩分、ビタミンBとCを補う食事を心がける
  • 身体を温める作用のある食品を、積極的に日々の食事に取り入れる

なお、夏バテ対策に効果的な料理や食材の具体例としては、以下のようなものがあります。

  • 味噌汁やスープなど、温かい汁物料理
  • ニンニク、ショウガ、胡椒、唐辛子など唐辛子を使った料理
  • キムチ、漬物、味噌、ヨーグルトなどの発酵食品
  • カボチャ、タマネギ、ニラ、ネギなどの野菜類
  • 鮭、いわし、まぐろ、海藻などの魚介類
  • ラム肉、鶏肉、卵などの肉類

上記を参考にし、意識して少しずつ日々の食事にとりこんでください。

夏の冷え対策におすすめのレシピ

夏の冷えは上で述べたような食材を積極的に摂ることで改善できる場合があります。
ここでは、夏の冷え対策としておすすめのレシピを3つご紹介します。

生姜入り味噌汁

生姜は身体を温める効果が高く、冷え性の強い味方です。その成分は皮と味の間に多く含まれているため、皮ごと煮込んだお味噌汁がおススメです。
だし汁に皮ごと輪切りにした生姜を投入してよく煮込みます。そこに豆腐やわかめなどお好みの具材を入れて火を通し、適量の味噌を溶いて味を整えたら完成です。

生姜のはちみつ煮

同じく生姜を使ったレシピですが、はちみつで甘く味付けし、冷蔵庫でよく冷やして食べればデザート感覚でいただけます。
生姜は良く洗って皮ごと千切にし、ヒタヒタノお湯で良く煮込みます。煮込んでいる最中はアクを丁寧に取り除きます。そこに、適量のはちみつと砂糖を加えて、さらに水分がなくなるまで煮込み、粗熱を取って冷蔵庫で冷やせば完成です。

鮭のちゃんちゃん焼き

がっつり主菜を食べながら冷え性対策をしたいという人におススメなのが、鮭などの魚介類です。
味噌・砂糖・酒・おろししょうが・おろしにんにくなどを混ぜ合わせてお好みのたれを作ります。このとき、おろししょうがの量を増やせば冷えを改善する効果が高くなります。このたれを鮭の両面に塗り込み、適当な大きさにカットしたキノコ類と共にアルミホイルで包み込み、オーブントースターで15~20分温めれば完成です。

質のいい睡眠も夏バテ解消につながるの?

温活の他、蓄積された夏の疲労を解消してくれる質の良い睡眠をとることも、夏バテの解消につながります。
単に長時間眠ればよいというわけではなく、心身がリラックスした状態で、疲労を回復できる深い睡眠がとれているかどうかが、夏バテへの効果を左右します。

以下に、夏バテ解消に効果的な質の良い睡眠のために就寝時間までにできることをご紹介しますので、参考にしてくださいね。

入浴は就寝の1時間前までに、湯舟につかる習慣をつける

人間は、身体の深部温度がゆっくりと下がるときに眠気を感じます。
スムーズな入眠から質の良い睡眠を得るためには、就寝の1時間前に38~40℃のぬるま湯に5~10分つかって、血流改善と自律神経の切り替えを行ってください。

こうすることで心身がリラックスモードになり、1時間後には深部体温が下がり始めるので、深い眠りを得やすくなります。

寝室の気温・湿度を調整して、身体をリラックスさせる

汗を寝ている間に多量の汗をかくということは、自律神経が覚醒モードのままになっていて、疲労を回復できる深い眠りに入れていないことを示しています。

寝汗がひどく寝苦しいときは、寝汗を抑えられるようエアコンや加湿器で寝室の気温・湿度を調整して、睡眠の質を上げる努力をしましょう。

おわりに:温活は夏バテ解消にも効果あり!食事と睡眠の質を見直そう

夏バテの原因は体温調整のための自律神経の乱れや疲れ、そしてエアコンや冷たい飲食物による身体と内臓の冷えにあるといわれています。このため、身体を温める食材を積極的に食べて身体の冷えを改善する温活は、夏バテ解消に効果的といえるのです。

また、夏の気候で身体と自律神経に蓄積された疲労を回復してくれる質の良い睡眠も、夏バテ解消につながります。夏バテを感じたら、まず食事と睡眠の質を見直してみると良いでしょう。

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