記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2024/7/31
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
夏バテで体調不良になると仕事や勉強のモチベーションも保ちにくくなりますし、食事が摂れなくなってさらに体調が悪化することもあります。この記事では、夏バテの症状・原因と、セルフケアとして取り入れやすい食事・睡眠の見直しでできる予防対策について解説していきます。
夏バテとは、高温多湿の蒸し暑くなる時期に体が適応できず体調不良に陥ることであり、暑気あたり・夏負けなどと呼ぶこともあります。夏バテによるおもな症状としては、以下が挙げられます。いずれも動けなくなるほどの不調ではないものの、長く続くと睡眠不足や免疫力低下を引き起こし、ほかの病気を引き起こす原因になる可能性があります。
また、夏バテのおもな原因として、以下が挙げられます。
心拍・血圧・情緒などは、自律神経が正常に機能することで安定した状態を保っています。高温多湿が続いたり、気温差が大きい場所を何度も行き来したりしていると、本人に自覚がないままどんどん自律神経が疲労して、自律神経のバランスが乱れ、機能が低下していきます。この状態が続くと一時的な自律神経失調状態に陥り、倦怠感・疲労感・食欲不振などの夏バテとしての症状が現れるようになるといわれています。
以下を心がけることで、夏バテを解消・予防できる可能性があります。
夏バテは、自律神経の乱れや冷えが原因になるため、冷え性対策である「温活」も夏バテ予防につながる可能性があります。夏は、冷たい飲みものやアイスクリーム・そうめんなどの冷たい食べものを摂りがちになるため、以下のように食事面から温活も取り入れていくことが、夏バテの解消・予防に役立つ場合があります。
なお、以下の料理・食材は、夏バテ対策におすすめといわれています。急激に回復するわけではありませんが、適宜取り入れることで、冷えによる夏バテを予防できる可能性があります。
上記で紹介した食材は、以下の料理を献立に取り入れることで摂取しやすくなります。
生姜は身体を温める作用があるといわれています。その成分は皮と味の間に多く含まれているため、皮ごと煮込んだお味噌汁がおすすめです。だし汁に皮ごと輪切りにした生姜を投入してよく煮込み、そこに豆腐やわかめなどお好みの具材を入れて火を通し、適量の味噌を溶いて味を整えたら完成です。
こちらも生姜を使ったレシピで、はちみつで甘く味付けし、冷蔵庫でよく冷やして食べるとデザート感覚でいただけます。生姜をよく洗って皮ごと千切にし、ヒタヒタノお湯でよく煮込みます。煮込んでいる最中はアクを丁寧に取り除き、適量のはちみつと砂糖を加えて水分がなくなるまで煮込み、粗熱を取って冷蔵庫で冷やせば完成です。
がっつり主菜を食べて対策をしたいという人におすすめなのが、鮭などの魚介類です。味噌・砂糖・酒・おろししょうが・おろしにんにくなどをお好み混ぜ合わせ「たれ」を作ります。このとき、お好みでおろししょうがの量を増やしてもよいでしょう。作った「たれ」を鮭の両面に塗り込み、適当な大きさにカットしたキノコ類と一緒にアルミホイルで包み込み、オーブントースターで15~20分加熱すれば完成です。
以下を心がけて質の良い睡眠をとることも夏バテの解消につながり、溜まった夏の疲労解消にも役立ちます。長時間眠ればよいというわけではなく、心身がリラックスした状態で深い睡眠がとれていることが大切です。
深部温度がゆっくりと下がるときに眠気を感じやすくなります。就寝の2時間前までに入浴を済ませるようにすると、ちょうどよいタイミングで深部体温が下がり始め、眠気が起こり入眠しやすくなるといわれています。また、38~40℃のぬるま湯に5~10分つかる習慣をつけることもおすすめです。
寝苦しさを感じるほど多量の汗をかいていると、質の高い睡眠をとりにくくなります。寝汗で寝苦しくならないように、エアコン・除湿機などで寝室の室温・湿度を調整しましょう。
夏バテは自律神経の乱れや疲労の蓄積がおもな原因であり、エアコンや冷たい飲食物による冷えが影響することもあります。栄養バランスの整った食事を規則正しく摂り、質の高い睡眠を取り疲労を回復させることで解消・予防を目指せます。また、温活を意識した料理を取り入れることが夏バテの解消・予防に役立つこともあります。夏バテを感じた場合は、食生活と睡眠習慣を見直してみましょう。ただし、十分な食事を摂れない状態が長期間続くなど、夏バテが慢性化・重症化しているときは、治療が必要な場合もありますので医師に相談してください。
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