記事監修医師
前田 裕斗 先生
2018/10/12
 
      記事監修医師
前田 裕斗 先生
 
          妊婦検診にて「妊娠糖尿病」と診断されてしまった場合、どうやって治療をしていけばいいのでしょうか?妊娠糖尿病になる原因やリスクと併せてお伝えしていきます。
妊娠糖尿病とは妊娠中に初めて発見される糖代謝異常のことをいい、慢性的に血糖値が高くなる状態のことをいいます。妊娠前から既に糖尿病と診断されている場合や、妊娠中に明らかな糖尿病であると診断された場合は妊娠糖尿病には含まれません。
妊娠糖尿病になる原因は妊娠中、特に妊娠後期になるとインスリンの働きを悪くするホルモンが胎盤から放出されるため血糖値が上がりやすくなるからとされています。また、下記に該当する人は妊娠糖尿病になりやすいと考えられています。
妊娠糖尿病を発症しても、妊娠初期の頃は自覚症状が出ないケースが多いですが、高血糖の状態が続くと、母体だけでなく胎児にもさまざまな影響を及ぼす可能性があります。
妊娠糖尿病かどうかの診断は妊娠初期に血液検査で随時血糖値を測定し、この値が高かったときに75g経口ブドウ糖負荷試験(75gOGTT)という検査を行います。これは、ブドウ糖液を飲み、飲む前と飲んだ後の数回採血を行って血糖値を測定していくという検査です。また、妊娠初期の検査で異常がなかった場合でも、妊娠中期になると血糖値を下げるインスリンというホルモンの効き目が悪くなるためもう一度血糖値の検査を行います。
これらの検査を行ったうえで妊娠糖尿病と診断された場合には、通常の糖尿病時に行う運動療法はできないため、基本的に食事の管理を行う食事療法で治療を行います。これは入院して食事指導を徹底して行う場合と、外来での指導のみの場合があります。食事療法を行っても血糖値が高い場合や産科的に介入が必要であると判断された場合にはインスリン注射を用いた治療が行われます。
妊娠糖尿病と診断された場合、①空腹時95mg/dL未満および食後1時間値140mg/dL未満、あるいは②空腹時95mg/dL未満および食後2時間値120mg/dL未満、を目標に管理していきます。食事の内容を見直したり、食事を4~6回に分けて食べる分割食にするようにしましょう。
妊娠糖尿病における食事は通常の糖尿病と食事の内容が異なります。また、制限されるカロリーも人それぞれ異なるため、かかりつけの医師や管理栄養士の指示に従って食事を摂るように心がけましょう。
妊娠中に初めて発見される糖代謝異常であり、高血糖の状態が続く妊娠糖尿病。その原因として、妊娠中に胎盤から放出されるホルモンの影響でインスリンの効き目が悪くなることが挙げられます。
妊娠糖尿病は母体だけでなく胎児にも影響を及ぼします。そのため、妊娠糖尿病と診断されたら医師や管理栄養士の指示に従って食事の見直しを行いましょう。
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