記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2018/10/1
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
ひとくちに動脈硬化といっても、これによって様々な病気が引き起こされる可能性があります。動脈硬化は気づきにくく、気づいたときには重大なことになっているケースも珍しくありません。
そこでこちらでは、動脈硬化の詳しい治療方法や、動脈硬化によって起こる病気の怖さについて説明していきます。
私たちが生命を維持する上で、血管はとても重要な役割を担っています。
血管を通じて血液が糖分や酸素など、全身に必要なものを運び(動脈)、その一方で、体内でできた老廃物を運び出して(静脈)処理を行っています。
動脈も静脈も基本的に3層からなっており、内膜・中膜・外膜に分けられできています。
動脈硬化は動脈の内膜部分が厚くなったり、硬くなったりして本来の構造が壊れ、働きがわるくなることを指します。
厳密にいうと動脈硬化には3つのタイプが存在し、これにはアテローム(粥状)硬化・中膜硬化・細動脈硬化に分類されますが、一般には動脈硬化といえばアテローム硬化のことを指すことが多いです。
動脈硬化の主な原因は食事や運動、喫煙や飲酒などの生活習慣が大きく関わっています。とくに、動物性脂肪のコレステロールは血管の内側に付着したり、血管を詰まらせたりしやすいです。
動脈硬化はある日突然あらわれるものではないので、予防のためにも日ごろから生活環境を整えていきましょう。
動脈硬化の治療の基本は生活習慣の改善です。
現代における日本人の死因の上位には、動脈硬化が原因となる心疾患(心臓病)や脳血管疾患(脳卒中)があります。
これらの病気を引き起こさないためには、以下で紹介するような食生活の改善が必要です。
そのほかにも、運動によってエネルギーを消費するように心がけ、余分な脂肪を体に蓄えないようにしましょう。
運動はハードなものではなく、ウォーキングや水泳などを30分以上、週に3~4日続けるのがおすすめです。これは、動脈硬化の原因となりうる脂肪が、エネルギーとして消費され始めるのに20~25分かかるといわれているからです。
運動には、ストレス解消や骨密度を高める効果も期待できるので、自分の続けられる範囲で運動を習慣づけましょう。
食生活の改善や運動などを行っても動脈硬化を改善できない場合には、薬での治療が必要になることがあります。
治療では、コレステロールを減らす作用のあるスタチン系の薬剤や、肝臓での中性脂肪の産生を抑えてコレステロール排泄を増加させるフィブラート系薬剤、中性脂肪を減らして血液をサラサラにする働きのあるオメガ3-脂肪酸製剤、腸管からのコレステロール吸収を阻害する小腸コレステロールトランスポーター阻害薬などから、それぞれの状態にあった薬が処方されます。
ただし、薬物治療を始めたからといって生活習慣の改善をおろそかにしてはいけません。
薬物療法は、生活習慣を並行していくで、より改善効果が期待できます。
動脈硬化が進行すると、全身に様々な支障をきたす可能性が高まります。動脈硬化が起こる仕組みは次のようになります。
動脈硬化が起こりやすい部位と、それによって引き起こされる主な病気は以下のものがあげられます。
動脈硬化自体には自覚症状がなく、ある日突然何かしらの病気になって気づくことが多いです。
動脈硬化によって起こる病気によって、生活の質(QOL)を下がってしまったり、死亡したりするケースもあります。知らず知らずのうちに動脈硬化が進行してしまわないように、予防や定期的な健康診断などが大切です。
動脈硬化は薬による治療がなくとも改善が期待できるものですが、自分ではなかなか気づきにくく、気づいたときには動脈硬化が原因で重大な病気を引き起こしている可能性があります。
そうならないためにも、日ごろからきちんとした生活環境を心がけ、動脈硬化の予防に努めていきましょう。
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