東洋医学でよく聞く「胃熱」ってどんなもの?改善策ってどんなこと?

2018/10/2

山本 康博 先生

記事監修医師

東京大学医学部卒 呼吸器内科医

山本 康博 先生

西洋医学とは異なる観点から、数百年にわたり人体を診続けてきた東洋医学。
東洋医学の世界では、西洋医学にはない「胃熱(いねつ)」という概念があります。
今回は東洋医学でいう胃熱の状態について、その症状や原因、改善するための方法を解説していきます。

胃熱ってどんな症状?

胃熱を端的に表すと「胃に熱がこもってしまうために、機能が低下している状態」です。

東洋医学では、胃に熱量が過剰に集まるとオーバーヒート状態になり、その結果満腹感も十分な消化機能も得られなくなる「胃熱」状態になると考えられています。
胃熱状態で起こる代表的な症状としては、以下のようなものが挙げられます。

  • 胃がもたれるような、熱を持ってチリチリしているような独特の感覚
  • 胃がもたれているのに食欲が止まらず、いくら食べても満足できない過食
  • 胃痛、胸焼け、げっぷ、吐き気、嘔吐
  • 口の渇きやねばつき、口臭
  • 歯茎の腫れ、真っ赤または真っ白な状態への舌の変色
  • 便やガス量の増加
  • 吹き出物など、肌トラブルの増加

胃熱になるのはどうして?

東洋医学で言う胃熱状態になる原因としては、以下のパターンが挙げられます。

  • 辛いものやアルコール、たばこなど刺激物の摂りすぎ
  • 塩辛い、または冷たい飲食物の摂りすぎ
  • 胃の伸縮性を超えるほどの、過度の暴飲暴食
  • 長期間のストレス蓄積による、自律神経のバランスの乱れ

上記から、胃熱の原因はいずれも限度を超える胃の酷使や、胃の働きを司る自律神経への過負荷により、胃が傷つき正常に作用できなくなることによるものとわかります。

胃熱を改善するにはどうすればいい?

胃熱を改善するには、胃への負担を減らし消化機能を回復させてあげる必要があります。

まずは日ごろの食習慣を見直し、暴飲暴食を改めて腹八分目量の食事を1日3回、よく噛んで規則正しく食べるように改めていきましょう。
加えて、おなかのマッサージや入浴、好みの香りのアロマオイルなどを使って、ストレスをため込まない生活習慣を確立するのもおすすめです。

食事と生活習慣の両方を見直しても、なかなか胃熱の症状が改善されない場合は、消化を助ける作用のある市販薬や漢方薬を服用したり、ツボ押しにも挑戦してみましょう。
以下に、胃熱の改善に効果的なツボを4つご紹介しますので、参考にしてください。

足三里(あしさんり)

両足の表側、膝のお皿から指4本分下がった位置にあり、押すと凹むポイントにあります。指の腹で撫で押したり、親指ぐっと強く押し込んで刺激すると効果的です。

こんな症状の人におすすめ!

暴飲暴食をしてしまう、いつもストレスを感じて胃が痛い

内庭(ないてい)

両足の人差し指と中指の間、骨同士の間の凹みが内庭です。親指や人差し指で数回押すか、人差し指と中指をそれぞれ回しても刺激できます。

こんな症状の人におすすめ!

胃に熱感やチリチリした感覚がある、消化不良で気持ち悪さや胃痛がある、のどが渇く

内関(ないかん)

手首のしわから親指幅で2本分、肘の方で向かった位置にあるポイントが内関です。親指でグッと押して刺激すれば、気の巡りを良くし胃痛を和らげる効果が期待できます。

こんな症状の人におすすめ!

いつもストレスを感じて胃が痛い、胸焼けや胃部不快感がある

中脘(ちゅうかん)

おへそから指3~4本上、おへそとみぞおちの中間地点にあるのが中脘のツボです。指で押してみて強い張りを感じるようなら、仰向けに寝た状態で親指や人差し指でほぐすようにやさしく押すと効果的です。

こんな症状の人におすすめ!

消化不良や胃痛、胃もたれ、胸焼けを感じて辛い、肌トラブルがある

おわりに:胃熱は食習慣の見直しとストレスをためない習慣づけで改善できる

東洋医学で言う胃熱とは、胃に熱がこもってオーバーヒートすることで消化機能が低下し、消化不良や過食、口内環境の悪化や肌トラブルを招く状態です。暴飲暴食やストレスにより、胃や胃の働きを司る自律神経に過剰な負担がかかることが原因で起こるとされます。症状の改善には食習慣の改善やストレスをためないようにするのが効果的ですが、あわせて漢方薬やツボ押しなど東洋医学的な治療を試すのもおすすめです。

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