記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2018/9/28
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
胃はどのような働きをしているのでしょうか?また、トラブルから胃を守るにはどうすればいいのでしょうか?胃の働きや胃のトラブルの予防方法について解説していきます。
胃の主な働きは、消化と殺菌の2つです。
胃には、食道から運搬されてきた食物を消化する働きがあり、胃の持つ伸縮性によって満腹時には1.5Lほどまで膨らむとされています。
食道から胃に運ばれた食物は、胃の蠕動運動によって砕かれた後、胃液と混ざり粥状になり、やがて十二指腸に送られます。また、胃では水・糖分・アルコールなどごく一部のものは吸収されますが、その他の栄養を吸収する働きはほとんどありません。
胃液は強い酸性で、ほとんどのタンパク質を変性させるほどの作用を持ちます。
そのため胃液には、食物とともに体内に侵入してきたウイルスや細菌の増殖を抑制・殺菌をする効果があります。
何らかの原因により、胃の働きに影響が及ぶと、以下のような様々な症状が引き起こされるようになります。
胃を守るために、以下のことに気をつけましょう。
朝食を抜いて胃が空の状態が長時間続くと胃が荒れやすくなり、食事回数が1日3回から2回に減ると1回分の食事量が増えることで、胃にかかる負担がさらに増大します。
また、就寝前に食事をすると胃に負担がかかるため、忙しい時でも夕食の時間にはお腹に何か入れるようにしましょう。まずは1日3食を規則正しく摂ることが大切です。
食物をよく噛まずに飲み込むように食べる早食いは、胃にかかる負担が大きく、空気を一緒に飲み込みやすくなるため、ゲップが出やすくなります。
また、食べ始めてから満腹感を感じるまでには一定の時間を要するため、早食いをすると、満腹感を得るまでの間に食べ過ぎてしまい肥満になりやすくなります。
食事はゆっくりとよく噛んでから飲み込み、腹八分目に留めるようにしましょう。また、食後に20~30分間は食休みの時間を設けることで、胃の消化活動を助けることができます。
脂肪分の多い食物、極端に熱いものや冷たいもの、味の濃いもの、香辛料の多いものなどを食べ過ぎると、消化に時間がかかることに加え、胃壁を傷めてしまう恐れがあるため、胃に不調がある時は特に避けた方がいいでしょう。
胃の負担を軽減するためには、タンパク質・炭水化物・ビタミン・ミネラルをバランスよく摂取する、火を通して柔らかくしてから食べる、繊維の多い野菜類は細かくして食べる、胃壁を保護する作用のある牛乳を1日1杯飲む、などの工夫を行うといいでしょう。
アルコールの摂り過ぎは、胃粘膜を直接傷つけたり、胃酸の分泌を促進することでさらに粘膜を傷つけてしまうため、適量に留めるようにしましょう。
晩酌を辞めるのが難しい場合などは、休肝日を作って1日肝臓を休めるなど、可能な限りアルコールの摂取量を減らすことが大切です。
タバコは血管を収縮させる作用があり、胃の血行を悪くして胸焼けを引き起こす原因となるため、喫煙は避けましょう。喫煙者は非喫煙者と比較して消化性潰瘍(胃潰瘍や十二指腸潰瘍)にかかる確率が高く、喫煙本数に比例して死亡率も高まるため、非常にリスクの高い行為と言えます。
また、禁煙した人の胃・十二指腸潰瘍の再発率は約20%とされていますが、禁煙できなかった人の再発率は50%となるため、ヘビースモーカーの人は完全に禁煙することが難しくてもニコチンの少ないタバコやフィルターを使用するなどして、少しずつでもタバコの本数を減らしていきましょう。
少しストレスを感じるだけでも、胃に負担がかかるため、ストレスをなるべく溜めないように趣味やスポーツなどのストレス発散方法を見つけておくことが大切です。
特に、ストレスによる潰瘍になりやすい人は、几帳面、内向的、こり性、周囲に気を使い過ぎる、我慢し過ぎる、などの傾向があるため、一人で考えすぎずに悩み事を相談できる相手を確保しておくことも大切になります。
風邪薬は用法用量を守って使用していても胃を荒らすことがあるため、指定された量以上を服用した場合さらに体に負担がかかってしまいます。
また、空腹時に風邪薬を使用すると胃粘膜が荒れる原因となるため、軽く胃に食べ物を入れてから服薬するようにしましょう。特に薬の服用により胃に不快感を感じやすい人は、胃粘膜修復成分が配合されている胃薬を一緒に服用すると良いでしょう。
医薬品は用法・用量を守って服用することが、胃を守る上でも大切になります。
食後・食前・食間など飲むタイミングが定められている場合も、それを守って使用しましょう。
胃には、食道から運搬されてきた食物を消化する働きや、食物とともに体内に侵入してきたウイルスや細菌の増殖を抑制・殺菌をする働きがあります。様々な不調から胃を守るためには、規則正しい食生活や生活習慣を送ることが大切になります。また、服薬はきちんと用法用量を守って行い、胃に負担をかけないようにしましょう。
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