ヘバーデン結節のテーピングの巻き方のコツは?

2018/10/13 記事改定日: 2020/7/30
記事改定回数:2回

山本 康博 先生

記事監修医師

MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長
東京大学医学部卒 医学博士
日本呼吸器学会認定呼吸器専門医
日本内科学会認定総合内科専門医
人間ドック学会認定医
難病指定医
Member of American College of Physicians

山本 康博 先生

へバーデン結節は、第一関節が変形して痛みや腫れを伴うようになる変形性関節症です。
治療には症状の進行と痛みを抑えるためのテーピングや、外用薬が用いられます。
今回は、へバーデン結節の治療で行われるテーピングの方法や、テーピング以外の治療方法についてご説明していきます。

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ヘバーデン結節になるとどんな症状が出てくる?

ヘバーデン結節とは、指先から数えて1つ目の「第一関節」が変形して曲がってしまい、水膨れや腫れ、赤み、痛みを伴うようになることです。
リウマチにも似た以下のような症状が出ます。

  • 人差し指、中指、薬指、小指を中心に、第一関節に腫れ・赤み・痛みが出る
  • 第一関節で指が曲がった状態で固まってしまい、指の曲げ伸ばしがうまくいかなくなる
  • 痛み、変形、腫れの症状がある第一関節付近に、水膨れのような出来物が出てくる

へバーデン結節の発症は特に40代以上の女性に多く、さらに、女性の方が男性が発症した場合より強い痛みを感じるようになる、とも報告されています。

このことから、へバーデン結節の発症原因は手指の酷使とも女性ホルモンの分泌量の低下とも考えられていますが、はっきりとした原因はわかっていません。

ヘバーデン結節はテーピングで改善できる?

へバーデン結節をテーピングで治すことはできませんが、患部をテーピングで固定することで、関節の痛みや負担を軽減し、変形の進行を抑えることができると考えられています。

テーピングは、ドラッグストアなどで購入できるサージカルテープでもかまいません。簡単にできるテーピングの巻き方の手順は、以下の通りです。

テーピングの巻き方

  1. テーピングをする箇所の皮膚は、事前に洗って汚れや皮脂を流しておく
  2. 指先から手首の方へ向けて、第一関節を中心に3周ほどテープを巻きつける
  3. テープの巻き終わりは、はがれにくいように指の外側(手の甲側)にくるよう止める
  4. 指を曲げ伸ばししてみて、不快感や指の変色・痛みがなければOK

※指に不快感や変色があるときはきつく巻きすぎているので、再度巻きなおしてください。

ちなみに、サージカルテープを使ったテーピングは、自然にはがれるまで、もしくは皮膚にかゆみが出るまでは使い続けられます。

テーピング以外にどんな方法がある?

テーピング以外で、へバーデン結節の症状を緩和する方法としては、以下のように添え木や専用の装具を使って固定する方法もあります。
症状の程度や、仕事や日常生活で指を動かす頻度に合わせて使いやすいものを選んで利用しましょう。

添え木での固定方法

変形しやすいアルミとウレタン製の添え木を使って、指1本すべてを固定する方法です。
その人の指のかたちにあわせて、しっかりと固定できることが利点ですが、テーピングと違って取り外しが面倒で、指が完全に固定されて動かせなくなる点には注意が必要です。

専用装具での固定方法

熱によって柔らかくなる特性を持ち、指に捲くと指サック状になる専用装具を使って、第一関節周辺だけを固定する方法です。
何度もまき直しできるため着脱しやすく、指先と第一関節は動かせるため、装着中の不便さが少ないのが大きなメリットです。

ヘバーデン結節の痛みを薬で抑えられる?

へバーデン結節を根本的に治すには手術が必要になります。しかし、手術をするほど重症でない場合は薬で痛みを和らげることが可能です。

具体的には、ロキソニン®などの一般的な消炎鎮痛薬が多く使われており、炎症がひどい場合には関節内のステロイド注射が行われることもあります。
また、薬で痛みを抑える場合には同時に痛む部位をテーピングするなどして安静にすることも大切です。

ヘバーデン結節で手術が必要になることもある?

変形がひどく日常生活にも支障を来すような場合には、変形を修正するための手術が検討されることがあります。

手術方法は重症度によって異なりますが、第一関節を金属で固定して関節の更なる変形防ぐ「関節固定術」、痛みの原因となる骨の出っ張り(骨棘)を切除する「骨棘切除術」などが行われます。

おわりに: 痛みや変形で日常生活に支障があるなら、テーピングで固定しよう

へバーデン結節を発症すると、親指以外の4指を中心に変形・痛み・赤み・腫れの症状が出て、徐々に進行していきます。
重度になってくると、手を使うときの痛みや不便さから日常生活や仕事に支障をきたすケースもありますが、このようなときにはテーピングや添え木・装具を使って患部を固定するのが効果的です。

あなたの症状の程度や、指の使い方にあわせて適切な装具を選び、症状の進行を抑えてください。

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