逆流性食道炎の治療で使う漢方薬ってどんなもの?治療中の注意点は?

2018/10/25

山本 康博 先生

記事監修医師

東京大学医学部卒 呼吸器内科医

山本 康博 先生

胃酸が食道へ逆流することで、のどの痛みや胸焼けなどの症状が起こる逆流性食道炎。
治療には胃酸の抑制・中和作用のある薬が使われるのが一般的ですが、漢方薬も利用されています。
今回は、漢方薬による逆流性食道炎の治療について、解説していきます。

逆流性食道炎の治療で使われる薬は?

逆流性食道炎の治療薬には、まず胃酸の分泌を抑える「プロトポンプ阻害薬」や「カリウムイオン競合型アシッドブロッカー」などの西洋医学の薬が使われるのが一般的です。

西洋医学の薬を1~2か月服用し続けても、逆流性食道炎の治療に十分な効果が得られない場合には「六君子湯(りっくんしとう)」という漢方薬を併用するケースもあります。
逆流性食道炎の治療における漢方薬は、第一選択薬というよりも、西洋医学の薬と併用してより高い効果を得ようとする目的で使われるケースが多くなっています。

六君子湯ってどんな漢方薬なの?

ここからは、逆流性食道炎の治療に使われる代表的な漢方薬「六君子湯」について、詳しく見ていきましょう。
六君子湯は、主に以下のような症状が認められ、東洋医学の知見で「虚証(きょしょう)」と診断される人に処方されることが多い漢方薬です。

六君子湯がよく処方される「虚証」の症状
胃もたれ、消化不良、食欲不振、胃痛、嘔吐、顔面蒼白、動機、発汗、速い呼吸 など

漢方成分は、人参(ニンジン)・蒼朮(ソウジュツ)、茯苓(ブクリョウ)、半夏(ハンゲ)、陳皮(チンピ)、大棗(タイソウ)、甘草(かんぞう)、生姜の7つで、生姜以外の6つの成分を6人の君子に見立て、六君子湯という名が付きました。

胃腸の働きを整え、身体の代謝や免疫機能を上げることで胃腸をはじめ消化器系全体の機能を高め、補助してくれる効果が期待できます。

逆流性食道炎を治すために、薬の服用以外で気をつけることは?

西洋医学の薬、または漢方薬を飲む以外に逆流性食道炎を治すために気を付けるべきこととしては、食事や生活習慣の改善が挙げられます。
以下に、逆流性食道炎治療のために行うべき食事・生活習慣改善のポイントをご紹介しますので、参考にしてください。

  • 腹部を締め付け、圧迫するような猫背・前屈の姿勢や服装は避ける
  • 重いものを持ち上げたり、排便時にいきむのは避けて腹圧を上げない
  • 胃酸逆流の一因となる下部食道括約筋のゆるみを防ぐため、肥満を解消する
  • 胃酸の分泌を促進するストレスの蓄積や過労状態にならないよう注意する
  • 消化に悪い脂質、糖質、刺激の強い飲食物、たばこの摂取を控える
  • 食事は規則正しいリズムで、ゆっくりよく噛んで食べるようにする
  • 食後すぐに横になることを避け休むときは腹部が少し上位になるよう気をつける

逆流性食道炎の治療中は、薬の服用だけでなく食事・生活習慣も少しずつ変えていけるよう、日常生活の過ごし方にも注意してください。

おわりに:逆流性食道炎の治療に使われる漢方は「六君子湯(りっくんしとう)」

逆流性食道炎の治療には、西洋医学的な薬と胃腸機能の向上に効果的な「六君子湯」という漢方薬を併用することがあります。六君子湯は、消化器系の不調とこれに伴う代謝・免疫機能の低下に効果的な漢方薬として代表的なものです。ただし、逆流性食道炎の発症には患者本人の生活習慣も大きくかかわっているため、薬の服用だけではなかなか症状が改善しないケースもあります。服薬と一緒に、食事と生活習慣の改善も行っていきましょう。

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