逆流性食道炎は薬で治る?処方される薬や治らない場合の対処をご紹介

2018/10/21

山本 康博 先生

記事監修医師

東京大学医学部卒 呼吸器内科医

山本 康博 先生

逆流性食道炎は、胃酸が逆流することで胸焼けなどの症状が起こる病気です。
この記事では、逆流性食道炎の治療薬について解説しています。薬で治らないとき、薬での治療とあわせて行うべき対策についても紹介しているので、参考にしてください。

逆流性食道炎の治療では、どんな薬を服用するの?

逆流性食道炎の治療の際に使用するお薬は4つの種類に大別することができます。

1つ目は胃酸分泌抑制薬といい、ヒスタミン、ガストリン、アセチルコリンといった胃酸を分泌させる化学物質を抑制することで逆流性食道炎の大きな原因となる胃酸の分泌を抑えます。
胃酸分泌抑制の働きをもつ薬は、プロトンポンプ阻害薬(PPI)ヒスタミンH2受容体拮抗薬(H2ブロッ力ー)の2種類があります。

プロトポンプ阻害薬の代表的なものはタケプロン®、パリエット®、オメプラール®、ネキシウム®などで、H2受容体拮抗薬はガスター®D、ザンタック®、プロテカジン®、アシノン®、タガメット®などが該当します。
プロトンポンプ阻害剤は、胃壁の酸を作るプロトンポンプに直接働いて胃酸の分泌を抑えるものであり、現在最も強力な胃酸分泌抑制剤となります。副作用には発疹、便秘、下痢、口の渇き、食欲不振、肝障害などがあります。

2つ目は消化管運動機能改善薬といい、食道の動きを改善することで、逆流した胃酸を胃に押し戻す働きを担います。
3つ目は粘膜保護薬といい、食道粘膜を覆うことで炎症の改善を助け、胃酸によってさらに傷つくことを防いでくれます。胃酸分泌抑制薬と共に処方されることが多く、ムコスタ®、プロマック®、セルベックス®、ガスロン®などがこれに該当します。主な副作用は便秘、下痢などです。

4つ目は、制酸薬といい、胃酸を中和させる働きがあります。胃酸を中和させることで、食道粘膜の障害の程度を軽くし、症状を和らげます。胃酸分泌抑制薬と一緒に処方冴えることが多く、炭酸水素ナトリウム、マグラックス、酸化マグネシウム、マルファ®がこれに該当します。主な副作用は便秘や下痢などです。

薬を服用していれば、逆流性食道炎は治る?

逆流性食道炎の治療の中心は薬剤の内服と生活習慣の改善です。そのため、薬だけを飲んでいても逆流性食道炎が治るとは限りません。

生活習慣の改善はまず食生活を見直すことから始めましょう。
食べすぎは、胃酸の分泌や胃内の圧を上げるため、あっさりとしたものを適量摂る程度に留め、食後すぐ横になると胃酸が逆流しやすくなるため、食後1~2時間は横にならないように心がけましょう。
食事の内容も、胸やけを起こしやすい食品の摂取を減らすようにし、脂肪の多い食物、チョコレートなどの甘いもの、柑橘類、コーヒー・紅茶、香辛料、アルコール類、タバコなどは胃酸の分泌を高めてしまうため、胃酸の逆流が起こりやすくなりますので避けるようにしてください。

また、胸やけが強い場合は寝るときに胸の中央部から上を高くしてから眠ると効果的です。横向きで寝たい場合は左側臥位を心掛け、うつぶせでは眠らないようにしましょう。
さらに前屈みの姿勢、排便時の力み、ベルトや帯でお腹を締め付ける、重い物を持つなどの腹圧を上げることを避けるのも予防として効果が期待できます。

薬を飲んでもなかなか治らないときは…?

医師から処方された薬を飲んでもなかなか治らないという場合や再発を繰り返しているという場合には手術による治療が必要になることもあります。逆流性食道炎の手術は噴門形成術といい、逆流防止機能を修復させるものです。現在では内視鏡的に治療を行うことも可能になっています。

おわりに:薬物療法と日常生活の改善が逆流性食道炎の治癒のポイント

逆流性食道炎の治療は、薬物療法と日常生活の改善となります。薬物療法では、胃酸分泌抑制薬、消化管運動機能改善薬、粘膜保護薬、制酸薬の4種類を組み合わせて使用します。日常生活では食生活と姿勢を特に見直すことが重要になります。
これらを行っても改善が見られない、または再発を繰り返しているという場合には手術による治療も考慮されます。
しっかりと処方された薬を飲み、日常生活を見直して逆流性食道炎の早期治癒を目指しましょう。

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