へバーデン結節は、何科でどんな治療をするの?

2018/10/17 記事改定日: 2019/11/27
記事改定回数:1回

山本 康博 先生

記事監修医師

MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長
東京大学医学部卒 医学博士
日本呼吸器学会認定呼吸器専門医
日本内科学会認定総合内科専門医
人間ドック学会認定医
難病指定医
Member of American College of Physicians

山本 康博 先生

へバーデン結節は何科を受診すればいいのでしょうか?また、どのような治療をするのでしょうか?へバーテン結節で受診すべき診療科や治療法について解説していきます。

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へバーデン結節で曲がった指は、治療で元に戻る?

へバーデン結節とは、年齢を重ねるとともに指の第1関節の変形が見られる病態のことで、第2関節に発症するものはブシャール結節と呼ばれています。

指の関節の変形や腫れ、動かしにくさなど、へバーデン結節の症状がみられる場合は、まず整形外科を受診して保存療法の指導や投薬治療を行う必要があります。

なお、発症の原因はわかっておらず、治療は病態の進行を抑える対症療法が中心になり、基本的には変形してしまった指を元に戻すことはできません

へバーデン結節の治療ではどんなことをするの?

現在行われているへバーデン結節の治療は対症療法のみとなっているため、その人の関節の痛みや腫れの程度に応じて、固定・運動療法・鎮痛剤の投薬・ステロイド剤の関節内注射・手術(骨切除、関節固定)などが行われます

発生初期に起こる強い痛みに対しては、患部を保護するための装具療法やテーピング、痛み止めの使用などが行われます。

装具療法で使用される装具は、指先にはめて用いるキャップのようなもので、炎症が強いときの保護や安静を目的として使われます。

もし装具の見た目が気になってつけにくいという場合は、キャップにラインストーンなどのアクセサリーをつけることができます。

手術が必要になるケース

  • 腫脹や変形が残っている
  • 痛みが続いている
  • 水ぶくれ(粘液嚢腫)ある

などが見られる場合は、手術が検討されます。

症状に応じて行われる手術方法は異なりますが、腫脹や外見の改善を目的として小さな皮膚切開を行う場合や、高度な変形や持続する痛みの改善を目的として関節固定術が行われることなどがあり、多くの場合は日帰りでの外来手術が可能です。

治療期間中の注意点

関節が固まらないようにする

関節がうまく曲がらなくなると、小さな物をつまんだりするときに支障が出てしまいます。関節が固まらないようにするためには、極端な安静は避け、無理をしない程度に動かすようにしましょう。

どのくらい動かしたほうがいいかは、担当医やリハビリ担当の理学療法士などに確認してください。

水ぶくれ(粘液嚢腫)が裂けないようにする

ヘバーデン結節のある皮膚に水ぶくれ(粘液嚢腫)ができたとき、袋を裂いて中身の液体を外に出すと傷跡から細菌感染して化膿性関節が起こる恐れがあります。
自己判断で水ぶくれをつぶすことは避けましょう。

ヘバーデン結節の予防や悪化を防ぐ方法はある?

へバーデン結節の明確な発症メカニズムは解明されていませんが、手をよく使う人に発症しやすいことが分かっています。
中年女性に多く見られますので、家事などによる手の使い過ぎには十分注意しましょう。へバーデン結節は遺伝しやすいとも考えられているため、家族に発症者がいる場合も注意が必要です。

また、原因がないのに手指の関節が痛んだり腫れたりした場合は、できるだけ早く病院を受診し、発症初期の段階では痛みや腫れのある部位を安静にすることができれば、悪化を防げる可能性が高まります。テーピングなども併用しながらできるだけ関節に負担をかけないよう心がけましょう。

おわりに:ヘバーデン結節の治療は整形外科での保存療法が中心

へバーデン結節は、基本的に整形外科での保存療法で治していきます。治療は病態の進行を抑えることが目的になり、変形してしまった指を元の形に戻すことはできません。
治療期間中は関節が固まらないように適度に動かしたり、水ぶくれが裂けないように注意する必要がありますので、担当医や理学療法士の指示を守り、リハビリを続けましょう。

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