記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2018/10/16
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
季節の変わり目は、急激な寒暖差から風邪を引く人が多いです。しかし、あまりにも咳が長引いている場合、ただの風邪ではなく「咳ぜんそく」のサインかもしれません。以降では、咳ぜんそくの特徴や対策についてお伝えしていきます。
咳ぜんそくとは、慢性的に咳が続く気管支の病気です。一般的な喘息と同じく、気道が狭まりいろいろな刺激に過敏に反応することで気管支が炎症を起こし、咳の発作が起こります。
この咳ぜんそくは風邪に併発して起こることが多く、主な症状も咳なので、ただの風邪として放置してしまうケースも少なくありません。見分け方のポイントとなるのが「咳の持続期間」です。風邪による咳は3週間未満で自然治癒するのが普通ですが、咳ぜんそくによる咳は2~3週間以上持続する傾向にあります。風邪を引いた後咳がかなり長引いている場合は、咳ぜんそくを疑いましょう。
咳ぜんそくの特徴となる症状は、以下の通りです。
普通の喘息(気管支ぜんそく)とは違い、喘鳴(ぜんめい)や呼吸困難などの症状は見られません。
咳ぜんそくの主な発症原因は、ホコリやダニなどのハウスダスト、タバコの煙、運動、ストレスなどによる気道への刺激で、急激な寒暖差も原因のひとつといわれています。また、もともとアレルギーのある人は気道が炎症を起こしやすいので、咳ぜんそくの発症率が高い傾向にあります。
咳ぜんそくによる咳は、市販の風邪薬や咳止めを使っても緩和しません。気管支拡張薬(空気の通り道を広げる薬)や吸入ステロイド薬を使うのが一般的です。
吸入ステロイド薬は優れた抗炎症効果がある上に、副作用の心配もほとんどありません。そして、本格的な気管支ぜんそくへの移行を予防する効果もあるといわれています。
咳ぜんそくは自然治癒するケースも多いのですが、およそ3割は気管支ぜんそくに移行するとされます。そのため、咳の緩和のためだけでなく、移行を防ぐ意味でも吸入ステロイド薬による薬物療法を早く行うことが重要です。
季節の変わり目は確かに風邪を引きやすい時期ではありますが、3週間以上咳が続いていたり、市販の風邪薬を飲んでも咳だけが続いたりしている場合は、咳ぜんそくを発症している可能性があります。気管支ぜんそくへの移行を防ぐためにも、早めに呼吸器科などを受診し、治療を進めましょう。
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