記事監修医師
前田 裕斗 先生
2026/7/15
記事監修医師
前田 裕斗 先生
妊娠中、リフレッシュもかねて旅行に行きたいと考える妊婦さんもいると思いますが、お腹の赤ちゃんや自分の体調のことを思うと少し不安になりますよね。妊娠中でも旅行に行くことはできますが、少し注意して欲しいことがあります。この記事では、妊娠中の旅行で気をつけて欲しいことについて解説していきます。
妊娠中に旅行をしてはいけない、ということはありません。経過が順調で、妊婦検診でも異常がみられなければ、旅行に行っても問題ないといわれています。出産後は赤ちゃんのお世話で時間が取れなくなるので、気分転換もかねて旅行に行くのはよいと思います。
ただ、妊娠中は急に体調が変わることも多いですし、旅行中に出血・破水・腹痛などが起こる場合もありますので、予想もしない出来事が起きたときのことも想定して計画を立てるようにしてください。また、体調が思わしくないときはお腹の赤ちゃんと母体のことを優先し、必要に応じて旅行をキャンセルできるようにしておいたほうがいいでしょう。
なお、旅行に行くのは妊娠中期(安定期)に入ってからをおすすめします。妊娠中期はまだお腹が大きくないので動きやすいですし、リスクが低くなるといわれています。
妊娠初期は悪阻(つわり)などで体調を崩すことが多いので旅行は控えた方がいいでしょう。妊娠後期になると、赤ちゃんの状態は安定していますが、お腹が大きくなっているので動きにくく、無理をするとお腹が張って貧血や高血圧、早産を引き起こす可能性があるため、あまりおすすめできません。
安定期に入り、体調がよい場合は旅行に行くことは可能ですが、次のような状態が続くときはあまりおすすめできません。判断がつかない場合は、担当医に相談しましょう。
妊娠中は疲れやすかったり、お手洗いが近くなったりします。車で旅行する場合は、以下の点に気をつけてください。
飛行機に乗ったからといって母体やお腹の赤ちゃんに影響が出るとは限りませんが、念のため旅行前にかかりつけの先生に相談してください。また、航空会社によっては妊婦さんの搭乗ルールを設けている場合もあるので、利用予定の航空会社のホームページをチェックするようにしましょう。
なお、長時間のフライト(一般的には5時間以上)になると、エコノミークラス症候群のリスクが高くなるといわれています。飛行機に乗る場合は、できれば30分ごとに水分をとるよう心がけてください。段階式着圧ストッキングを着用すると、むくみを軽減できる場合があります。
妊娠中の旅行では、以下を心がけましょう。
どのくらいの移動距離・移動時間のところを旅行先に選べばいいかなど、事前にかかりつけの医師に相談しましょう。その方が、旅行先や旅行中の計画などをスムーズに立てられると思います。
余裕のあるスケジュールで計画を立て、負担が大きくならないようにしましょう。もし、旅行中に体調の変化を感じたら、すぐに休むようにしてください。もしものときに備えて、妊婦さんが休みやすい場所を探したり、病院を調べておくことをおすすめします。
混雑した場所に行くと、すれ違ったときにぶつかったり、お腹を押されたりする場合があります。人気の観光スポットや遊園地などを訪れるときは、ゆっくりと静かに過ごせる場所を先に探しておくことをおすすめします。
もし旅行先で病院に行かなければならなくなったときに備えて、健康保険証と母子手帳を持って出かけましょう。母子手帳には妊娠の経過などが記録されているので、診療がスムーズに進みやすく、現地の医師も的確な判断をしやすくなります。
長時間同じ姿勢で過ごし続けると、エコノミークラス症候群になるリスクが高まります。こまめに水分を摂ったり、適度に体を動かしたりして、ずっと同じ姿勢が続かないようにしましょう。
移動中は意識してこまめに休憩をとるようにましょう。また、妊娠中はお手洗いが近くなるので、すぐにお手洗いに行けるように備えておくことをおすすめします。車で移動する場合は、渋滞に巻き込まれることも想定して、トイレ休憩を早めにとるようにしましょう。
もし、移動中や旅先で疲れたり、お腹が張るなどの体調の変化を感じたら、すぐに休みましょう。体が冷えるとお腹が張りやすくなるので、寒い場所やクーラーがきいている場所などにいるときは冷やしすぎないように注意してください。
海外は医療体制が異なるため、対応してもらえないことがあるかもしれません。また、自分の体調の変化を正確に医師に伝えることができず、適切な対処を受けられなくなる可能性もあります。妊娠中に海外に行く場合は、事前に現地の医療機関を調べたり、体調の変化を伝えられるよう準備したりするなどして、万全の態勢を整えましょう。
安定期で体調もよければ旅行に行くことはできますが、妊娠中は思いがけない体調の変化が起こりやすい時期でもあります。事前に主治医の先生に相談したり、入念な下調べをしたりするなどして、旅行の準備を整えましょう。もし、体調が悪くなったときは、無理せず休み、旅行のキャンセルも検討するようにしてください。