小腸ってどのくらい長いの?広げたときの面積もすごいって本当?

2018/10/23

山本 康博 先生

記事監修医師

東京大学医学部卒 呼吸器内科医

山本 康博 先生

私たちの食べたものを消化し、身体に必要な栄養素を吸収する機能を担う消化器官のうち、代表的な器官として胃・大腸・小腸の3つがあります。
今回は消化器官のうち小腸の働き、そして大きさや面積などについて、他の動物と比較しながらわかりやすく解説していきます。

小腸の長さってどのくらい?

小腸は、胃から運ばれてきた食べ物を2~4時間かけて消化し、必要な栄養成分を吸収してから、大腸へと送る役割を担う器官です。食べ物の消化と栄養の吸収は、胃や大腸など各消化器官で行われますが、栄養吸収の90%は食べ物が小腸を通過する段階で行われます。

このことから、小腸は人間が身体を動かすためのエネルギー補給において、とても重要な働きをしていることがわかりますね。

また通常、小腸は腹渦を巻いたような状態で腹部に収納されていますが、まっすぐに伸ばした状態にするとその全長は5~7メートルにも及ぶといわれています。
大腸の長さは1.5メートル程度なので、5~7メートルもの長さがある小腸は人間の身体で最長の臓器といっても良いでしょう。

人間の小腸の長さって、他の動物と比べると長い?短い?

人間の腸が他の動物よりも長いかどうかは、身体の大きさ(体長)に対して、何倍くらいの長さの腸を持っているかを算出すると比較できます。

この方法で比較したとき、哺乳類のなかで身体の大きさに対して腸の占める比率が群を抜いて大きくなるのは、ウシやヒツジ、ウマなどの草食動物とクジラです。人間は、ライオンやオオカミ、ネコなど他の雑食動物とほぼ同じ比率の腸の長さを持ち、哺乳類のなかでも特別長いということはありません

このように、草食動物と人間を含む雑食動物で腸の長さに大きな違いが出るのは、草や植物性プランクトンに含まれる栄養成分が、肉に比べて少ないことが関係しています。
植物だけから、大きな体を動かせるだけのエネルギーを摂取するには、消化にしっかり時間をかけて、少しの取り残しもないように栄養を吸収する必要があるのです。

一方、植物と肉の両方から栄養を摂取できるよう進化した雑食動物は、草食動物に比べて効率的に短時間で食べ物を消化し、十分な栄養を吸収することが可能になっています。

この消化・吸収にかけるべき時間の違いから、腸の長さの違いが生じているのです。

小腸の面積って意外と広いって本当?

5~7メートルもある小腸の内壁には、消化・吸収の役割を持った小突起やシワが無数にあるため、広げるとその面積はかなり広くなります。
身長や体格による個人差もありますが、小腸を拡げたときの面積は一般的には約200平方メートルにもなるといわれています。これは、テニスコート1面分に相当する面積です。

私たちの腹部に、これだけ広大な面積を持つ臓器が収まっているとは想像しがたいですが、小腸の働きとあわせて覚えておいてください。

おわりに:人間の象徴は長さ5~7メートル、面積はテニスコート1面分!

小腸は、胃から運ばれてきた食べ物を消化し、十分な栄養吸収を行ってから、大腸へと送る役割と持つ消化器官です。体格によって個人差もありますが、平均的な小腸の長さは5~7メートル、広げたときの表面積はテニスコート1面分相当の200平方メートルにもなるといわれています。ただし、人間の腸が特別大きいというわけではなく、他の雑食の哺乳類と比べても平均的なサイズといえます。この機会にぜひ覚えておきましょう。

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