記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2018/10/22
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
私たちが持つ消化器官の1つであり、食べ物からの栄養吸収に重要な役割を担う小腸。
病気の予防や早期発見のためにも、定期的な小腸の検査が推奨されていますが、どのような検査方法を選べるのでしょうか。
今回は小腸の検査方法について、定番のバリウム以外の選択肢についてもご紹介します。
小腸は全長5~7メートルと非常に長く、柔軟性に優れ、曲がりくねった状態で配置されている臓器です。
このため、バリウムを使ったX線撮影や、従来の内視鏡を奥まで挿入して動きや状態を確認することが難しく、全体を把握しにくい臓器といわれてきました。
そこで、近年になって積極的に用いられるようになったのが、「カプセル型内視鏡」や「バルーン内視鏡」など、特殊な内視鏡を使った小腸検査です。
特に、従来の内視鏡が通れなかったり、バリウムを使ったX線(レントゲン)撮影では映らなかった狭窄部・深部の検査や、疾患の早期発見・治療への効果が期待されています。
ここからは、前項で紹介した「カプセル型内視鏡」「バルーン内視鏡」、また口から内視鏡を挿入する「プッシュ式内視鏡」での小腸検査の方法について、解説します。
それぞれ、特徴や起こり得るリスクとあわせてご紹介しますので、参考にしてください。
検査の前日21時以降から絶食したうえで、長さ26mm×幅11mmのカプセル型の内視鏡を水とともに服用し、1秒間に2枚ずつ小腸内の画像を撮影する検査方法です。
画像は患者の腰に装着したレコーダーに記録され、検査自体は服用から約8時間後には終了、その後はカプセル型内視鏡が自然排泄されるのを待つだけです。消化管の自然な蠕動運動によって運ばれていくため、小腸の奥深くまで撮影しやすいこと、患者に身体的な負担が少ないことが大きなメリットです。
ごくまれにカプセル型内視鏡がうまく体外へ排出されず、消化器官のなかで詰まってしまう事例も報告されています。
もし、カプセル型内視鏡が消化器官に詰まった場合には、内視鏡を使って回収、または外科手術による回収が必要になるケースもあります。
バルーンのついたチューブと長さ2メートルの内視鏡を組み合わせたものを、口または肛門から小腸まで挿入し、1~2時間かけて画像を撮影する検査方法です。
バルーンを膨らませたり小さくしたりすることで小腸を折りたたむように動かせるため、従来の内視鏡ではたどり着けなかった小腸の深部までカメラを挿入できます。挿入はX線透視で位置を確認しながら行い、経口と経肛門を組み合わせると小腸全体を観察できること、検査と同時に出血などへの処置ができることが大きなメリットです。
バルーン内視鏡の挿入により、まれに小腸に穴が空いたり、出血、誤嚥性肺炎、急性肺炎などを起こすケースが報告されています。
バルーンのついていない内視鏡を経口で挿入する、いわゆる一般的な内視鏡検査です。
小腸のうち、観察・撮影できる距離は少ないですが、他の検査方法に比べて処置が簡単に行えて、検査時間も短くなるというメリットがあります。
内視鏡の挿入により、まれに小腸に穴が空いたり、出血、誤嚥性肺炎、急性肺炎などを起こすこともあります。
上記は、あくまでカプセル型やバルーン付きの内視鏡を使った一般的な検査方法であり、実際の手法は医師の判断や患者の状態によって異なります。
詳しくは担当の医師にしっかり確認してから、検査を受けるようにしてください。
長く柔軟性に富み、曲がりくねった状態で配置されている小腸の検査には、バリウム検査はあまり行われません。近年では、小腸の深部までの侵入が可能なカプセル型内視鏡、またはバルーン付き内視鏡を使って、画像を撮影する検査方法が主流です。これらの内視鏡検査には、それぞれメリットと注意点がありますので、実際に検査を受けるときは、必ず事前に担当医に内容を確認してください。
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