肝臓が悪くなるとどんな症状が出てくるの?

2018/10/24

山本 康博 先生

記事監修医師

東京大学医学部卒 呼吸器内科医

山本 康博 先生

「沈黙の臓器」と呼ばれる肝臓ですが、この肝臓が悪くなった場合、どんな症状が現れるようになるのでしょうか。肝臓の担う機能と併せ、解説していきます。

肝臓ってどんな働きを持つ臓器なの?

肝臓は、体のみぞおちからやや右側にかけて存在する臓器です。重さは約1400〜1800gもあり、人間の体の中で大きな割合を占めています。肝臓は人間の体をつくり守るために、以下のような大切な役割を果たしています。

タンパク質などの合成

食べ物が胃や腸で分解されて吸収されると、ブドウ糖や脂肪酸、アミノ酸といった成分が肝臓に運ばれます。肝臓は、運ばれてきた材料をもとにしてグリコーゲン(動物の体内でエネルギーを一時的に保存しておくための物質)や脂肪、タンパク質といった、体をつくったりエネルギーのもとになったりする栄養素をつくっています。

グリコーゲンの貯蔵

グリコーゲンは、つくったらすぐに使う必要がありません。肝臓はグリコーゲンをつくったあと貯蓄をしておき、体にエネルギーが必要になると血液中に放出します。

有害物質の解毒

私達の体には、有益なものだけが取り入れられているわけではありません。また、代謝の過程で有害な物質が生成されることもあります。肝臓は、体にとって有害な物質を無害なものに変化させて胆汁の中に排出します。代表的なものにはアンモニアがありますが、アンモニアは尿素に代謝されます。また、アルコールや薬剤も肝臓で代謝されています。

胆汁の合成と分泌

便の色が茶色になるのは、肝臓で分泌される胆汁の色です。肝臓は不要になったコレステロールを胆汁に溶かして、便と一緒に排泄しています。また、薬剤などの有害な成分も、胆汁に溶かして排泄しています。

肝臓の調子が悪くなると、どんな症状が出てくる?

肝臓の機能が低下すると、体を維持するための物質やエネルギー源が作れなくなったり、体に有害な物質が分解できなくなったりします。そのときに自覚される症状としては「だるさ」「脚がつる」「体がかゆい」といった3つが特徴的です。また、皮膚や目の白い部分が黄色くなる「黄疸」がみられたり、尿の色が濃くなったりします。

しかし、肝臓は「沈黙の臓器」のひとつとされ、自覚症状が現れるときには想像以上に状態が悪くなっているともいわれます。慢性肝炎では、症状がゆっくりと進行していくため、ほとんど自覚症状を感じていない人もいるほどです。

気になる症状があったら、まずは検査を受けよう!

肝機能の悪化は、自覚症状を頼りにしていては、なかなか発見できません。肝機能の低下は、血液検査で測定されるALT(GPT)、AST(GOT)、アルブミン、γーGTP、総ビリルビンの数値から推測します。また、超音波検査(エコー)や、CT検査で、肝臓の形に変化がないかどうかを確認することもあります。定期的に健康診断を受けるほか、自覚症状があるときには早めに医療機関を受診しましょう。

おわりに:肝臓は重要な臓器。健康維持のためにも定期的に検査を

肝臓は、人間の体を支えるタンパク質や脂肪をつくったり、エネルギー源となるグリコーゲンを貯蔵したり、有害な物質を解毒したりする大切な臓器です。しかし、たとえ機能が衰えても症状が現れづらい「沈黙の臓器」でもあります。定期的な血液検査を受けるほか、自覚症状があらわれたときには、できるだけ早く医療機関を受診しましょう。

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