記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2018/10/29 記事改定日: 2020/1/29
記事改定回数:1回
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
「低FODMAP(フォドマップ)食」をご存知ですか?過敏性腸症候群(IBS)の症状を改善する効果があるとして、いま話題の食事療法です。以降ではこの低FODMAP食とはどんなものなのか、なぜIBSに効果的なのかなど、全般的な情報をお伝えしていきます。
まずFODMAPとは、「F=発酵性」「O=オリゴ糖」「D=二糖類」「M=単糖類」(A=and)「P=ポリオール」を指す言葉です。つまり低FODMAP食とは、これらの摂取を制限した食事を意味します。
なぜ低FODMAP食が過敏性腸症候群にいいかというと、上記の糖類を含む食べ物は腸で吸収されにくく、小腸で十分に吸収されないまま大腸に入ると大腸内で発酵し、腹痛や下痢などを起こす原因になることが近年わかってきたからです。
低FODMAP食では、下記のような食べ物の摂取を控えることになります。
一方、食べてもいいもの(FODMAPが少ない食べ物)は以下のとおりです。
低FODMAP食は、過敏性腸症候群にある程度有用とされる食事療法です。
しかし、FODMAPを長期間摂取しないことによってかえって腸内環境が悪化することもあり、食事内容が偏ることで特定の栄養が摂れない、カロリーを摂り過ぎてしまうなど様々なリスクもあるとされています。
また、自身で過敏性腸症候群だと考えていても、大腸がんや潰瘍性大腸炎、クローン病など腸の病気が背景にあることもあります。このようなケースで低FODMAP食を開始するとこれら重篤な病気の症状がマスクされて発見が遅れてしまうことも考えられます。
低FODMAP食を始めるときは、必ず医師の診断を受けてから実施し、医師や栄養士の指導を受けながら無理のない範囲で取り入れていくようにしましょう。
低FODMAP食は過敏性腸症候群に有効といわれてはいますが、非常に制限の多い食事療法であり、自己判断で実践すると栄養が大きく偏ったり、体調を崩したりする恐れもあります。
これらの食品を完全に食べないのではなく、無理のない範囲で減らすことが大切です。なお、はじめる前には必ず医師に相談してください。
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