記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2018/11/7
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
ちょっとした表情から相手の機嫌を読み取ってしまったり、少しの刺激でも大きく動揺してしまうために、生きづらさを感じやすい「HSP」の人たち。そんなHSPの人が生きづらさを解消するには、どんなことを心がければいいのでしょうか?
HSP(Highly Sensitive Person)とは、とても敏感な人、非常に繊細で感受性が豊かな人のことで、アメリカの心理学者・エレイン=アーロン博士が名づけた「特性」を指す言葉です。
HSPの人は非HSPの人よりも感受性が高いために、例えば人が怒っている声や大きい音を聞くとひどく動揺してしまったり、対話中に言葉だけでなく声のトーンや微妙な表情の変化を読み取り、相手の気持ちに気づいたりします。なので通勤電車や職場、人との会話や電話など、一日の中でもたくさんのことから刺激を受けてしまい、帰宅後はすっかり疲れ果てています。そのため、敏感すぎることで生きづらさを感じていることが非常に多いです。
ではどうすれば、HSPの人たちの生きづらさは緩和されるのでしょうか。ヒントとなる考え方を、いくつかご紹介していきます。
HSPの人は気づくことが多い分、あれもこれも対応しなくてはと自分を追い込み、余計に疲労感やストレスを抱えがちです。電話が鳴ったらすぐとる、来客へのお茶だしは率先して行う、といったことが癖になっていると、自分が疲れるばかりでなく、ついつい周囲の人もやらない習慣がついてしまいます。
しかし、あなたがやらなければ、そのときは他の人が対応してくれます。「1日に3回しか対応しない」などと自分の中で決めておき、あえてスルーする勇気をもつのも大切です。
どんなに仕事のできる人でも、ミスをすることはあります。HSPの人はメールを作成するとき、誤字脱字はないか、失礼な表現になっていないかなどを気にするあまりに、かなり時間がかかってしまう傾向にありますが、読み直すのは一度で十分ですし、それでも大抵の物事は問題なく進んでいきます。もし間違いがあっても、また再送すれば大丈夫です。「取り急ぎ」といった表現を文章内で入れると、精神的にも楽になるかもしれません。
HSPの人は「敏感すぎるよ。もっとドシッと構えなきゃ」「そんなナイーブじゃ生きていけないよ」などといわれることもしばしばあり、そういった発言にも「自分が悪いんだ。直さなきゃ」と傷つくようになります。しかし、その人からのアドバイスは間違っていることもあり、その通りにしたからといってうまく行くとは限りません。だからその人のいう通りにする必要もないのです。「他人は他人」と切り離して考え、自分とは合わない考え方であれば、そっと距離を置きましょう。
HSPの人は感性が鋭いので、心地よい環境とそうでない環境、いっしょにいて安らげる人と苦手な人を即座に察知することができます。非HSPの人よりもストレスを受けやすいので、もし危険な信号を察知したらその環境や人からは離れ、なるべく心地よい環境・人のそばに行くようにしましょう。自分の人生なので、他人に過度に気を遣い続ける必要はありません。
HSPの「ささいなことにも気づいてしまう」という部分は特性なので、直すことはできません。しかし、自分が身を置く環境は、意識や行動で変えることができます。HSPの感受性をポジティブに活用し、心地よい生き方に少しずつ近づけていきましょう。
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