腎臓の機能が低下することで体に及ぶ影響は?どうすれば改善できる?

2018/10/27

山本 康博 先生

記事監修医師

東京大学医学部卒 呼吸器内科医

山本 康博 先生

腎臓は非常に重要な臓器ですが、この腎臓の機能が低下すると、体にどのような影響が出てくるのでしょうか?また、どうすれば腎臓の機能を改善させることができるのでしょうか?

腎臓の機能が低下すると、どんな症状が出てくる?

腎臓の機能が低下しているときは、以下のような尿に関する症状が現れます。

タンパク尿

腎臓のろ過機能が低下すると、通常では排出されないはずのタンパク質が尿中に排出されることにより、尿の色が濁ったり泡立ちが目立つようになります。
ただし腎臓が正常な状態でも、運動後や高熱時にも一時的にタンパク尿が排出されることがあります。

血尿

腎臓のろ過機能が低下すると、尿中に赤血球が混入することにより尿の色が褐色のような濃い色味になることがあります。また、鮮やかな赤色の尿が見られる場合は膀胱や尿道に出血がある可能性があります。

血尿は腎臓がんだけでなく、急性腎炎などでも見られるため、必ずしも腎臓がんが原因とは限りません。しかし、背中側の腰より少し上の両側に位置している腎臓にしこりや痛みを感じる場合は早急な検査が必要となります。

頻尿が起こることも多い

頻尿が起こる原因として考えられるのは、腎臓病以外にも糖尿病や過活動膀胱などがあり、慢性腎炎や糖尿病が原因となる場合は尿の量や排尿回数の増加が見られます。人や季節によっても異なりますが、正常な排尿回数は1日3~10回程度とされているため、1日10回を超える排尿がある場合は医療機関を受診して検査を受けましょう。

ただし、膀胱の柔軟性の低下により少量の尿でも尿意を感じるようになる過活動膀胱は、中高年に多く見られるものであり、頻尿のすべてが腎臓に原因があるというわけではありません。

脱水や心不全などにより腎血流が低下したり、腫瘍や結石などにより尿管や膀胱が閉塞すると、1日の尿量が400mL以下に低下して欠尿、1日の尿量が100mL以下になる無尿になることがあります。また、腎臓機能に異常が生じて尿の濃縮力が低下すると、1日の尿量が2500mL以上になる多尿になることがあります。

夜間頻尿

腎臓機能が低下するとまず尿の濃縮能に影響が及び、尿量増加や尿が透明になるなどの症状が引き起こされます。
通常の状態であれば夜間は尿が濃縮されることにより排尿回数が減少しますが、その尿の濃縮機能が低下することで夜間の排尿回数が増加するようになります。

また腎臓機能が低下すると、腎臓の持つ身体のナトリウム量を調節する機能が低下し、摂取したナトリウムを日中に十分に排出することができなくなってしまいます。
その排出しきれなかったナトリウムが体内に留まるようになると、夜間の血圧が上昇することにより夜間のナトリウム排出が促進されるようになるのです。

腎臓の機能が悪くなる前に改善するにはどうすればいい?

腎臓の機能を正常に保つには、腎臓の負担を軽くするために食事や生活習慣の見直しが必要です。

食事の見直し

たんぱく質の過剰摂取を避け、主菜は一品にするようにしましょう。野菜には、身体の塩分排出を促進させて血圧低下を改善する作用のあるカリウムが豊富に含まれているため、積極的に摂取するようにしてください。
ただし、腎臓機能の低下が見られる場合は高カリウム血症の原因となる恐れがあるため摂取量には注意する必要があります。そのほか、不飽和脂肪酸、コレステロールを豊富に含む食事、乳製品、肉の脂身なども避けるようにしましょう。

また、塩分の摂り過ぎを避けるため、味付けは酢や香辛料などを使い、塩味がなくても満足感を感じられるように工夫してください。

生活習慣の見直し

血液循環を改善するためには、激しい運動よりもウォーキングなどの有酸素運動の方が効果的です。少し息が切れる程度の運動量・運動強度に抑えてください。水分不足は腎臓に負担を掛けますので、水分補給を適度に行いトイレを我慢しないようにしましょう。

疲労や血圧上昇の原因となるストレスを避ける必要があります。
リラックスができる環境やストレスを解消できる環境作りをし、睡眠時間を十分に確保して疲労を溜めこまないようにしましょう。

そして、感染症になると腎臓にも影響が及ぶため、ウイルスや細菌に感染しないように清潔を保ち、風邪などの流行シーズンはマスクを使うなどして感染予防を心がけてください。

そのほか、血管収縮や血圧上昇の原因になるアルコールの過剰摂取や喫煙は避ける、不要な服薬は控えることなども重要です。

おわりに:尿の異常やからだのむくみは、腎臓機能低下のサインかも

腎臓の機能が低下すると尿の色が変化することが多く、タンパク尿や血尿が見られる場合は注意が必要な状態です。またその他にも、むくみ、頻尿、夜間尿などの症状が見られる場合もあります。腎臓機能の低下を予防するためには、塩分やタンパク質の摂り過ぎを避けたり、腎臓に負担がかかる生活習慣を改善するように心がけましょう。

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