炭水化物と糖質の違いとは? 効果的に食べるコツはある?

2018/11/13

山本 康博 先生

記事監修医師

東大医学部卒、独立行政法人国立病院機構東京医療センター

山本 康博 先生

炭水化物と糖質は違うものですが、キチンと区別できている人は少ないかと思います。そこで今回はこれらの違いを説明しつつ、炭水化物を上手に摂取するコツをご紹介します。これらの違いを正しく理解し、ダイエットや糖質制限などに役立ててください。

炭水化物ってどんな働きを持つ栄養素なの?

炭水化物はご飯、パン、麺類、いも類などに多く含まれている栄養素です。このことは多くの人がご存知かと思います。ただ、炭水化物の働きを知らない方も少なくないと思いますので、まずは炭水化物の3つの働きについて確認してみましょう。

身体を動かすためのエネルギー源になる

炭水化物は体内で1gあたり約4kcalのエネルギーを産生します。とくに脳のエネルギー源になる物質は、基本的に炭水化物の一種である「ブドウ糖」だけです(正確にはケトン体という物質もエネルギー源となります)。そのため、炭水化物が不足すると、思考力や集中力などの低下に繋がります。

エネルギー源として体内に貯蔵される

血液中の余分なブドウ糖は、エネルギー源(グリコーゲン)として体内に貯蔵されます。そして、空腹時や運動時にはグリコーゲンが使われ、身体の血糖値を維持しています。なお、グリコーゲンの貯蔵上限は決まっているため、それを超えた分は体脂肪になります。

身体を作る際の成分になる

炭水化物は一部ですが、分泌液、粘液、核酸(DNA、RNA)などの材料になります。これらは身体にとって大切な働きを担っています。

炭水化物と糖質って何が違うの?

炭水化物と糖質は似たような意味合いで使われることも多いですが、実際には別のものを指しています。そこで糖質について説明した後に、炭水化物との違いについて解説します。

そもそも糖質って何のことをいうの?

糖質は体内で分解されて、エネルギー源として活用される物質です。糖質には単糖類、少糖類、多糖類などの種類があり、代表的な糖質には以下のようなものがあります。

単糖類
グルコース(ブドウ糖)、フルクトース(果糖)、ガラクトース、マンノースなど
少糖類
ラクトース(乳糖)、スクロース(ショ糖)、マルトース(麦芽糖)、オリゴ糖など
多糖類
グリコーゲン、デンプンなど

一般的に「炭水化物がエネルギー源となる」という表現は、実は「糖質がエネルギー源になる」ということを意味しています。つまり、糖質は炭水化物を構成する物質の1つなのです。

炭水化物と糖質の違いは「食物繊維」にある

実は、炭水化物は「糖質」と「食物繊維」に分けることができます。つまり、消化吸収される糖質と、消化吸収されない食物繊維を合わせて炭水化物というのです。この言葉の違いを理解すると、「糖質制限が単に炭水化物を控えることではない」というのが理解できるでしょう。そのため、ダイエットや糖質制限の際は、糖質に着目するといいかと思います。

炭水化物を効率よく摂るにはどうすればいい?

炭水化物を上手に摂取したいのであれば、ほかの食品・栄養とのバランスに気をつけることが必要になります。そこで具体的なポイントを3つご紹介します。

食物繊維、ビタミン、ミネラルと一緒に摂取する

食物繊維には、炭水化物の吸収を緩やかにする働きなどがあります。また、ビタミンB1やミネラルなどには、エネルギー代謝を促進する役割があります。そのため、炭水化物を摂取する場合は、これらの栄養も意識した食事にするといいでしょう。

たんぱく質や脂質と一緒に摂取する

たんぱく質や脂質は消化に時間のかかる栄養素です。そのため、これらの栄養素を炭水化物と一緒に摂ると、血糖値の上昇を緩やかにできます。食事の際はご飯やパンだけですませるのではなく、主菜も加えるといいでしょう。

有機酸と一緒に摂取する

有機酸とは酸味のもととなる物質のことで、たとえば、クエン酸やリンゴ酸などがあります。有機酸にも、血糖値の上昇を緩やかにする働きがあります。そのため、食事の際は酢の物、梅干、ヨーグルト、酸味のある果物なども、一緒に摂ることをおすすめします。

おわりに:糖質と食物繊維を合わせたものが炭水化物

一般的に炭水化物は「糖質」の意味で使われることが多いですが、本当は炭水化物とは「糖質」と「食物繊維」の両方を合わせたものをいいます。そのため、ダイエットや糖質制限などの際は「どちらに注目したいのか」を意識すると、目的達成により近づきやすくなるかと思います。

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