記事監修医師
工藤内科 副院長 工藤孝文先生のスマホ診療できるダイエット外来
工藤 孝文 先生
根菜類やきのこ類、玄米などに豊富に含まれる「食物繊維」は、メタボ予防やメタボの改善に有効な栄養素として、いま注目を集めています。以降では食物繊維がメタボに効く理由や、食物繊維をつかったおすすめのレシピをご紹介していきます。
便秘によいといわれる食物繊維には、メタボリックシンドロームの予防・改善効果もあることがわかっています。
米国内科学会誌「アナルズ・オブ・インターナル・メディシン」にて発表された、メタボリックシンドロームのアメリカ人男女240人を対象にした研究によると、1日30g以上食物繊維を摂取していたグループでは1年で平均2.1kg体重の減少が認められたとのことです。
では、食物繊維の摂取によってなぜ体重の減少につながったのでしょうか。それには、食物繊維の以下の作用が関連していると考えられます。
食物繊維には、食べ物の消化・吸収スピードをゆるやかにし、食後の血糖値の上昇を抑制する効果があります。このため、すい臓から分泌される「インスリン」(血中のブドウ糖を細胞内に取り込むことで、血糖値を下げるホルモン)の分泌が穏やかになって、余剰な糖を脂肪として溜め込みにくくなります。
体内でつくられたコレステロールは、胆汁酸(コレステロールをもとに肝臓からつくられる物質)に代謝され、小腸に排出されます。しかし、食物繊維をたくさん摂取すると胆汁酸は再吸収されず、体外へと排出されるようになるため、血中のコレステロールが低下します。
近年の研究によって、腸内環境は肥満と関連していることが明らかになっています。腸内環境が悪い、つまり悪玉菌が優勢な人は太りやすく、逆に善玉菌が優勢な、良い腸内環境の人は太りにくくなると考えられているのです。
食物繊維は善玉菌のエサになるため、腸内環境を整えるには食物繊維を摂取することが大切です。なお、食物繊維には水溶性と不溶性の2種類がありますが、水溶性食物繊維のほうが血糖値の上昇を抑制する効果が高く、腸内で発酵して善玉菌が繁殖しやすい腸内環境をつくることがわかっています。
以下、食物繊維を使ったおすすめのメタボ対策レシピを2つご紹介します。
食後血糖値の上昇の抑制やコレステロールの低下など、食物繊維にはメタボや肥満解消につながるうれしい作用がたくさんあります。メタボや予備軍と診断された方は、ぜひ日々の献立に食物繊維を取り入れてみてください。
この記事の続きはこちら